come on baby17 判定日

妊娠判定日まで、溶けてしまいそうだった。

番号を呼ばれて、ドアにはいって、
先生の一言を発するだろうところで結果が分かってしまった。


いつも、水のようにしゃべる先生に一瞬、言葉のつまりがあった。

「私さん、あのね、妊娠はしているんです。(このとき
妊娠ということばだったか、陽性ということばだったか、ほかの言葉だったか忘れた)

hcgホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は妊娠した時だけでるものです。

「HCGの数値がでているんです。でもね、数値が低いんです。」

私の数値は今日の欲しい数値の10分の1
ここから先の伸びが必要なのね!!ふむふむ。
話を聞いているとき、感情はないのに涙が滝のように出てきた。


去年から毎月3から6本注射を打ってきていたけれど、
今回の方法は、自分でも注射をする方法だった。
結果1か月で(採血など含む)25本打ったし、注射する時間の指定があるから、
仕事の休み時間をその(注射打つ時間)に変えてもらったりしていた。
最初に自分で注射を打った時は60分の休み時間なのに手が震えて、刺せなくて10分かかった、
病院から専用の針箱と注射セットをもらったので、
会社のトイレで毎回祈るように注射をしていた。


夜は夜で、オールブラックスの「ハカ」をみて、
気合をいれてから打っていた。

薬が身体にあわずに、(薬の副作用で病院にもいっていた)
薬を変えてもらって、鍼やお灸をやって、
万全に備えたつもりだった。

でも、妊娠していないわけではない、妊娠していたら数値は
でてこない。お腹には、いる。
卵ちゃんの体力を信じてみよう、


それから4日の再判定まで
判定日の数値からの逆転ホームランの分娩までいったブログを漁り探し、
自分と重ねていた。
いる。
確実に逆転ホームランの人がいる。
安堵する。

一方、途中で数値が落ちる、
数値の上りが鈍い、都度の判定日までに数値が届かない。
そういうパターンは、数値がある分の日々だけ「陰性」とはまた違う
辛さを卵ちゃんとともに過ごすことになる事も知った。
低い数値をもったまま過ごすことは、
さらにネガティブな手術をしないといけなくなる場合もあることを知る、
ゴクリと唾をのみこみながらいろんな情報を見入っていた。

再判定日。
「私さん」
部屋に呼ばれた。


私の身体に奇蹟の大逆転はおこるか?

私は人生で一度、奇跡を起こしたと思われた時があった。
高校受験のとき、
県で一番の私立高校に落ちたのに、
その私立高校より偏差値の高い、市立高校に受かったときだ。

「奇跡」といっていたけれども、
あのときは、私立に落ちてから、1か月1日16時間勉強した、
コタツを背負って過ごしていた。
トイレ以外はコタツからでなかった。
あの頑張りが功を奏し、受かったから、あれは奇蹟ではなかった。

きょう、奇跡を起こせるか。。。
覚悟を決めながらも、興奮を抑えつつ、ドアの中へいく。


数値2.6


上がるところか、ガクッと下がった。
覚悟があった。
不思議と病院では泣かなかった。


帰路、一人になったとき、空をみながら「また来てね」と思っちゃったときから、
涙は止まらなかった。


数値が0になるのを待ちましょう。(妊娠していない状態になること)


数値が0になる自分達としばらく過ごすことになった。


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