シェア
panda1
2021年5月20日 02:58
理沙と別れた次の日の正午、僕はキャンパス内のベンチに座り、ゼミまでの時間潰しをしていた。寒空の下軋むベンチに腰掛ける僕を号棟黒ガラスに反射した偽太陽がじんわりと照らす。僕を照らす黒ガラスの中の陽光は本来の温もりを何十倍にも薄めたもの。そんな薄味な陽光にあてられ、ふと僕の頭の中を実家のカルピスがよぎった。カランカランと頭に響く氷の摩擦音が僕の体を余計に震えさせる。冷たいなベンチから見る漫