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抜かれた骨の行く末

きっと私は
何の実体もない神さまのような存在に
骨を抜かれてしまったのだろう

何本か抜かれたおかげで
上手く力が入らない

上の空とはこのことだ

こんな焦点の合わない状態でも
金粉のような過去の残像が
なぜか自然と目に入って来る

きらきらとちらつくのは
楽しかった思い出ではない

私がとても強かった頃の状況

誰かの精神が病んでいたり
誰かの心臓に小さな穴が開いていたり

通常ならざる状況の時に
私は確実に今より強かった

自分の弱さに
ほとほと参っていた日々だったが
ちゃんと思い返せば
強かった自分がそこにいた

そうか、ならきっと今は
抜いた骨を預かってくれている神さまが
その骨にハケでたっぷりカルシウムを
塗ってくれているところなんだ

長い人生おそらくまた
何かしら通常ならざることが起こった時に
その分厚くなった骨を
私の身体にガコッとはめてくれるんだ

神さまどうか
何が起こっても折れない骨に仕上げてくださいな

まだ誰もこの契約に
少しも気づいていないうちに


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