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支えと呪いが紙一重だった頃の私

冬に待ち続けていたのは
埋まる可能性が少しでもあったから

始めから可能性になんて賭けなければ
こんな心の穴なんて
大きくなる前に何か別の物で
埋められていたはずだ

でも私は待ち続けてしまった

あなたが好きだったから



「もう春を待つのは辞めます」

実質の卒業なのかと問われたら疑わしい

ただ「待つ」という行為はあまりにも
揺らいだ時の精神的負担が大きいんだと
こんな歳になってようやく分かったの


人は青春を感じている時期に
何かしら音楽を聴いているべきだと思う
どんな種類のものでもいいんだ

だって時に思い出を支えにしたくなった瞬間
心だけはその場所に行けるんだよ

私たちは「夢か幻のような状況」を
何度も生身の自分で繰り返す必要はないんだ

その場所に実際再び降り立つことを
長く続く人生の糧にしなくていい


「もう春を待つのは辞めます」

私には余韻と音楽と文章がある

支えと呪いが紙一重だった頃の私
さよなら

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