<この地球の蝉は> 午前1時。夏の夜道を駆ける。今日は風が心地良い。 明日は美雪と付き合って1年の記念すべき日。ちょいと車を飛ばして熱海まで行く予定だ。海水浴をして、温泉に入って、花火をして、それから。いろいろ考えてしまう。 ——明日は長くなるし、早く布団に入らなきゃな そんなことを思いながらも、疼く体の芯の痒さに耐えかねて、外へ飛び出した。 こんな日の夜はいつもそうだ。去年の暮れの友人たちとの大阪旅行の前の日も、美雪と過ごしたクリスマスイブの前の日も。寝