季節をはじめる格子柄 ‐秋間道‐
パラスパレスではこの秋、「秋間道」という格子柄のシャツをつくりました。
間道とは、ストライプやチェックの古い呼び名です。
鎌倉~桃山時代に異国から伝わった染織品を指し、茶道をたしなむ権力者に愛された裂のひとつ。
掛軸の表装や茶入れの仕覆として大切にされていました。
名物裂 めいぶつきれ
間道
金襴
緞子
を主流としたこれらの生地は名物裂として茶人の名を冠したものや、背景にちなんだ名前がついています。
たとえば、利休間道は、千利休が好んで用いたもの。
吉野間道は豪商から三大名妓の吉野太夫に贈られた裂、という具合です。
間道の呼び名の由来は
諸説あり中国の広東が元である説や、
「間」→混じる。「道」→筋、縞。という言葉が元になっている説もあるようですよ。
パラスパレスの間道
8月に登場する、パラスパレスの「秋間道」をご紹介。
着物の柄から着想した、とてもとても大きな格子柄です。
播州織の産地、兵庫県西脇市で仕立てたオリジナルテキスタイル。
大きな柄は糸巻きや織り、裁断などあらゆる場面でひと手間かかるもの。
ひとつ、ひとつ、産地や工場との連携を経てかたちとなりました。
こちらの生地は、シャツに仕立てた時の柄位置を決めてから生地の設計を決める、いわば、逆算型のデザイン。
大柄は生地の無駄がでてしまいがちですが、デザイナーがパズルのように柄の入り方と型紙の入り方、そして洋服のかたちを同時にデザインしながら、なるべく無駄がでないように作っています。
デザインは2つ。オーバーシャツとドルマンタイプシャツをご用意しました。
長袖のシャツは、柄の入り方をしっかり設計して、すべて同じ柄の見え方に。
おおらかな柄がいきるオーバーサイズです。
ドルマンタイプのシャツは生地の幅を活かしたデザイン。
グリーンとオレンジの横のラインの入り方がまちまちなので、出会う楽しさ、選ぶ楽しさも。
効き色のラインには深いグリーンとオレンジを、ベースには季節の移ろいを感じる、白すぎないアイボリーの糸を使っています。
パラスパレスの格子は、実は柄だけではなく、糸もオリジナルカラー。
色の重なりを想像して色付けをしています。
今年の立秋は8月7日。
秋間道で、季節のよそおいを楽しんでみませんか。
長袖オーバーシャツ¥25,000+tax /FSH24335C
ドルマンシャツ¥21,000+tax /FSH24336C
【参考資料】
淡交社「茶の裂地名鑑」
視覚デザイン研究所「日本・中国の文様事典」
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