ぱれっと通信#5
1989年6月14日のぱれっと通信はケストナーを取り上げています。
ケストナーと言えば
『飛ぶ教室』
エーリヒ・ケストナー作 池田香代子訳 岩波書店
1933年の作品です。
1933年といえばナチスの支配下にあった時期ですが、ケストナーの作品は優れていて人気があったということで児童書に限り出版を許されていたようです。
Oさんの感想には「正義の名のもと行動することに興奮し、卑怯者を軽蔑し、敵ながら名誉を重んじる者は尊敬する。これはまさに男の世界です。」と書かれています。
私は子どもの頃に読んだきりですが、なんとなくわちゃわちゃした作品だったなーという印象しか残っていません。そっかー、男の世界を描いてたのかーとOさんの感想を読んで納得。さらに別の人の感想では
「M・エンデ・・・物語ることを目指す
ケストナー・・・子どもを立派な大人に育てあげたい(やや説教じみてくる)」
などもあります。洞察鋭い。
ケストナーの作品は「カビくさい」という感想の人もいれば、「感動本のひとつだ。こどもの日のどこかでめぐりあっていてほしい」と書いてる人もいて、感じ方は人それぞれだなぁと読んでいて面白いです。
他に『点子ちゃんとアントン』池田香代子訳 岩波書店も読み比べたようです。「いったいなにがいいたいのかよくわからない」という感想があって面白い! わかったふりをせず、わからないと言いきってしまうところが好感持てます。この日の例会は白熱してたでしょうね。