※R18注意【有料記事】ある農夫の恋 part.2【「堕ちた神父と血の接吻」番外編】
※「ヴィルがもし盗賊にならなかったら」というIFの物語です。part.1に引き続き、コンラートが可哀想な目に遭っています。
※今回もR18描写がありますが、ヴィル×コンラートの描写ではなく陵辱描写ですのでご注意ください。
「ころして、ください」
雨にかき消されそうなほどか細い、空虚な、それでいて切実な願い。
聞かされた相手はぎょっと後ずさり、やがて、気まずそうにため息をついた。
「……悪かったとは思ってる」
降りしきる雨の中。
懺悔とも弁解ともつかない言葉が、ぽろぽろとこぼれ落ちる。
「お前は嫌がらせされてもずっと真面目だったし、それでいて誠実で人望もあって……鼻についたんだ。僕の師匠は『あんな』だからな。媚びへつらって、酷いことでも手伝……。……『共犯』にならなきゃ、次に玩具にされるのは僕だ」
嫌がらせ?
酷いこと?
……玩具?
何があった?
神父様は、何をされたんだ?
嫌な予感に気を取られ、うっかり、枝を踏んで音を立ててしまう。
まずい、と思った時には遅かった。
「誰だ!」
「……ッ!!」
声を荒げる知らない男(たぶんこいつも聖職者)のことはどうでもいい。
……神父様が、怯えたようにびくりと肩を震わせたのが、見ていて辛かった。
「……ただの、そこら辺の農夫っすよ」
神父様を安心させたかったのに、ほっとしたのは隣の男だった。
神父様は青ざめたまま、静かに身体を震わせ続けている。
「何があったんすか」
怒りをどうにか抑え、二人に近づく。
どちらも、何も言わない。
「言えよ。神父様に何した?」
神父様じゃない方の胸ぐらを掴み上げると、男はばつの悪そうな表情で目を逸らした。
「……僕だけじゃない。僕がしたことなんて、大したことじゃない」
「そんなのは聞いてねぇ。『お前ら』が神父様に何したかって聞いてんだ」
この期に及んで言い訳ばかりの野郎の顔を睨みつけ、締め上げる力を強くする。
野郎は苦しそうに呻き、「話す……話すから! 降ろしてくれ!」と懇願するように声を絞り出した。
地面に投げ落とすと、わざとらしそうに咳き込んで睨みつけてくる。思い切り睨み返せば、野郎は渋々といった様子で話し始めた。
オレが想像すらできなかった「真実」を……
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