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【敗者の街番外編】「殺人絵師」の噂

 カミーユ・バルビエという画家がいた。
 正確な名はカミーユ=クリスチャン・バルビエ。カナダ出身の新進気鋭の画家は、美貌の鬼才として知られていた。

 ヨーロッパ各地を遊学し、フランスの美術大学でも頭角を現した彼は、いつしかぱったりと表舞台から姿を消す。原因は女性関係のトラブルともされているが、真偽の程はわかっていない。
 それから月日は流れ、10数年後。
 彼は再び表舞台に姿を現し、世間を賑わせた。

 自らの芸術でなく、その死に様によって。

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