地の巻、詳細を読み解く 「全てにおいて拍子(リズム、テンポ、間)が重要だ」 拍子というものがはっきり しているのは 舞踏や音楽などである。 これは,拍子がよく 合うことによって 調子よく行われる。 武芸の道も、弓を射 鉄砲をうち馬に乗る ことまで拍子、調子がある。 武芸や技能については 拍子を乱してはならぬ。
火の巻、詳細を読み解く 火の巻は 水の巻の応用編であり より実践的で その内容はきわめて 心理学的、力学的で 興味ぶかい。 「場所と状況を 見きわめよ」 戦闘の場において ”太陽を背おって立つ” という原則がある。 その理由は 自分の後ろに 太陽がくるように して立つと 敵の視界を 太陽の光でさえぎり 見えずらくして 逆に 自分はしっかりと 敵を見ることができる、、、 そういう 立ち位置なので 戦闘を優位に すすめられるからです。
水の巻、詳細を読み解く 「構えあって構えなし」 ㉓でのべた「構え」 のことであるが そもそも 自分の武器(スキル)を 活用するにあたって 一定の形に構える ということは あるべきことではない。 「構えあって構えなし」 ということである。 スキルを使う形は 相手との関係により その場所により 状況に応じ 臨機応変に、、、 どんな形でスキルを 活用しようとも 目的は 相手(お客さん、クライアント、 カスタマー)の 信用と納得と承認を
水の巻、詳細を読み解く 「太刀(技能、能力)の使い道」 太刀(たち)すなわち 自分の技能、能力は それを正しく使うことが 重要だ。 自分が活用する 技能、能力を客観的に よく知ることが大事だ。 どんなにすぐれた 技能、能力を持っていても その細かい機能の原理を 無視して使おうとすると うまく行かないものだ。 例えば PCを使うにあたっては PCの能力を無視して 能力以上のスピードで 処理させようとしたり 能力以上の負荷がかかる 仕事
水の巻、詳細を読み解く 「五つの構え(かまえ)のこと」 ここでいう構えとは 自分の武器(スキル)を たずさえて 未知の相手から 信用を得るための 武器(スキル)を使う スタンスのことである。 (スキル=知識、技能、能力、話術 etc・・・) 五つの構えがあるのだが どの構えも 構えそのものにはとらわれず 何より、大事なのは 相手の信用を勝ちとることを 一番に考えることが 大切である。 構えには 中段、上段、下段、右わき、左わきの 五つ
水の巻、詳細を読み解く 「足のつかい、事のはこび方」 ものごとを進める場合は かかとを強くふむように 自分の信念を強く念頭におき 大小、遅速のちがいはあるが 自然に歩くくらいの気持ちで 左右の足をまえにだすように 進めるのがよい。 ものごとを上手く成し遂げるためには 陰陽ということが大切とされている。 陰つまり信念、目的 陽つまり策(作戦、策略) この二つをバランスよく考慮し ことを成功させるのである。 自分の信念、目的ばかりが先行して 相
水の巻、詳細を読み解く 「人の信用を得たければ 太刀(自分のスキル)を常にみがけ」 まず、何よりも 相手の信用を得るのだという 強い気持ちで自分のスキルを使うのである。 (スキル=知識、技能、能力、話術 etc・・・) 使い方をまちがえれば 信用をなくすことになるから 注意すること。 自分のスキルを 固定してしまってはならない。 ”固定” は ”死” であり ”固定させぬこと” が ”生” である。 これを十分に心得るように。 仕事は変化し、
水の巻、詳細を読み解く 「目くばりということ」 武蔵は日ごろの 生活や仕事のときから 目のくばり方は 「大きく、広く」くばるのである。 観の目: 物ごとの本質を深く 見極めることを第一とし 見(けん)の目: 表面のあれこれの動きを見ることは 二の次とせよ と説いている。 世の中のできごとを 広く大きな目くばりで見わたし 物ごとの本質を深く 見きわめることがまず大切であると。 まずは全体を大きく見わたし ものごとの大局、状況 本当は
水の巻、詳細を読み解く 「どんな時も変わらぬ姿勢を保つようにしなさい」 体のかまえ(姿勢)は 顔はうつむかず、あおむかず、曲げず (視界よく周りが見わたせるように) 目をきょろきょろさせず (落ち着きがないように見え、視線をさとられるから) 額にしわをよせず、眉の間にしわをよせ (策略をさとられないよう) 目の玉を動かさぬよう (視点をさとられないように) またたきをしない気持ちで (一瞬も見逃さぬように) 目をややすぼめるようにする。 (目玉の動きを見ら
水の巻、詳細を読み解く 「一瞬のうちに的確な判断を下すような修業とは?」 行き過ぎた緊張、たるみ、偏見、こだわり 雑念をとり払うことは さまざまな道を志す上では 大切なことですが 武蔵は「心を静かにゆるがせ」ると いっている。 ”心を静かにゆるがせる” なんとなく ニュアンスとしてはわかるのですが 具体的にはどんな状態か 考えてみました。 適度な緊張の中で (その緊張を少し楽しく感じるくらいの) 体の筋肉も緊張せずに ゆったりとした気持ちで
水の巻、詳細を読み解く ”水の心を手本として、勝利の道を見出していく。” 「心の持ちよう」 いかなる場合においても 心の持ちかたは 平常の際と変わってはならない。 平常も、非常事態の際も 精神をひろやかに、まっすぐにし むやみと緊張せず また、たるむことなく かたよった心をもたず 心を静かにゆるがぜて、そのゆるぎが 一瞬もゆるぎ止まらぬよう よくよく気をつけることである。 体が静かなときにも、心は静止せず 体がはげしく動くときにも 心は平静
地の巻、詳細を読み解く 「武蔵の兵法九つの原則」 以下の九つの原理原則を心がけて 人の道を鍛錬しなければならない。 広く大局を見ることなくしては 人生の達人となることは できないからだ。 常にこの原理を心がけて ひたすらに励ならば まず、現象面で人にまさり 物を見る目においても 人にまさる。 また、鍛錬によって全身が 意のままに動かせるようになれば 肉体的に人にまさり さらに心の鍛錬をつむならば 精神も人にまさるようになる。 ここまでく
地の巻、詳細を読み解く 「拍子は ”はずみ” ともいう」 ある 物体にはたらく力は 質量×加速度にひとしい。 これは物理学でいうと 運動の法則だが 人間の働きや 社会現象についても いえることである。 勢いがそれだ。 勢いがつくと 意外な力を発揮する。 孫子はこれを 「激流は石をも漂わしてしまうそれは勢いがあるからである」 と表現している。 人生における勢い 仕事や勝負における 勢い、、、 武蔵は、三百数十年前 いみじくもこれを
地の巻、詳細を読み解く 「馬は耐久性が強く、頑丈なのがよい」 武蔵は 武芸に使うさまざまな 武器、道具などの 些細なことにとらわれて 本来の目的を見失うことを いましめている。 仕事に使う道具は それぞれの特徴をよく見きわめて その時々で使い分けるようにする。 ちかごろの道具は見てくれ(形、色、デザイン) などにばかり流される傾向にあり そのような道具はいざというとき 役に立たないと。
地の巻、詳細を読み解く 「我が太刀の徳によって世を治め、自らを治めるのである」 武蔵は太刀、兵法によって 世間を治め、自分を治めて 行くのだと言っている。 武蔵の考えでいうならば 「自分の仕事によって、社会をよくして、自分をよくして行く」と いってるのだ。 仕事の成功という狭い考え だけにとらわれずに 自分の人間性を磨き 社会全体の幸福を考えていたのです。 ここに武蔵の兵法の スケールの大きさを感じるのでした。 「太刀(仕事)は
地の巻、詳細を読み解く 「物事に成功をおさめるためには、全機能、全手段をフルに活用すべし」 武蔵の実践する二天一流は 二刀流である。(二本のバチで太鼓を打つのにヒントを得たという話も残っている) 二刀流の考え方 〇 持っている手段を、あますところなく活用すること。 〇 左手も右手も同じように機能を果たすこと。 〇 一つ