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映画の感想(ルックバック・クロユリ団地)

寝る前に映画(主にホラー)を観るのが習慣になってきたので、直近で鑑賞した標題の2作品について感想をポツポツと。

ネタバレを含みますので嫌な方はご注意を!


『ルックバック』
ホラー映画ではないが話題になっていたので流行に乗り遅れまいと視聴。
チェンソーマンの作者が描いた漫画が原作という前知識だけで見たが、主人公たちの暮らす街が東北の田舎(京本の方言的に)なのか、妙な懐かしさも相まって随所でジーンとくる場面があった。

しかし見終わった後の感情は感動ではなく戸惑いだった。
ストーリーを追っていく中で色々な細かなことが気になっていたのだが、そうこうしているうちに予想だにしない理由で京本が命を落としてしまったからだ。

「なぜ京本は不登校なのに自分の描いた漫画を見てもらいたいと思ったか」
「なぜ京本の親が一切登場しないのか」
「なぜ京本だけ訛りがキツイのか」

上記のような本筋とは違う部分が気になり、藤野と京本が紡ぐ漫画家としての物語に純粋に入り込むことができなかった。
原作には忠実なのだろうが、私にはキャラクターの設定や背景の作り込みに対して映画の尺が短いように感じた。
一言でいえばもっとキャラクターの情報が欲しかった。

あとは京本の進学先の芸術大で起きた事件について。
モデルはあの京都アニメーションの事件であることは誰の目から見ても明らかだが、京本の死の原因をあのような理不尽な事件に絡めること、そして「京本を外の世界に誘った自分」を責める藤野など、衝撃的で複雑な要素が散りばめられており、視聴者の感情も最後まで散らばったままだった。

まとめ:原作者が伝えたかったテーマは何だったんだろう。

ルックバックを観た人に率直な感想を聞いてみたい。


『クロユリ団地』
数年前の映画だっけ、と思って見ていたらなんと2013年公開と11年も前の作品だったことにまず衝撃。
前田敦子が若い。成宮寛貴がまだ俳優活動をしている。

ホラー作品と謳っているものの、正直恐怖を感じるシーンは皆無だった。
ネット上にころがっている映画レビューでも同じような評価で、大体がネガティブな内容のようである。

数々のレビューの中で目立つ意見が「終盤シーンのミノルがチャッキーにしか見えない笑」というもの。
ミノル君とは作中に出てくる就学前の男児であり、最凶の悪霊的ポジションのキャラクターなのだが、それまで実写で子役が演じていたにもかかわらず、最後のシーンではなぜか塩ビ人形と化してしまう

その姿はまるでチャイルドプレイのチャッキー人形そのもの。

「可愛らしい姿の男の子が実は一番邪悪な悪霊だった」
これがクロユリ団地の恐怖のハイライトのはずだが、最後の最後に面白いミノル人形がドヤ顔で登場してしまうのはもはや放送事故である。

最後まで手を抜くな製作陣。

それ以外で気になったのはやはりあの女霊媒師だろう。
物語の中盤までは有能感を醸し出していたものの、いざ祓いの儀式をするとなった際の謎衣装やらワンパターンな祝詞の詠唱により、一気にTRICKに出てくるインチキ霊能者にしか見えなくなった。

さすがにネタですよね製作委員会さん…?
なお普通にミノルに呪殺された模様。

まとめ:怖いもの見たさ()で見る分にはオススメ

当時この作品を観るために映画館に足を運び、チケット料金を払った人がいるという事実が一番ホラーまである。

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