御年93歳、秦早穗子さんからアラン・ドロンへの弔辞
なんという美文であろうか。しかし文章が美しいだけではない。秦さんにしか書きえないことが書いてありながら、過剰な自分語りではない。故人を偲ぶ気持ちがあり、同時代のフランスの芸能を知らない日本の読者への配慮もある。
秦さんは1931年生まれとのこと。かねて著作にしたためてきたエピソードであって、訃報を受けて65年前の記憶を引っ張り出したわけではなかろうが、俳優の全盛期を活写した筆致には舌を巻く。
なお記者による訃報・評伝はこちら。
もし「太陽のただ中」という邦題であったならば、日本においてはサスペンス映画の金字塔として後年これほどまでの印象は残さなかったかもしれない。
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