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jasu
大崎善生は西山朋佳のノンフィクションを温めていた
「聖の青春」、「将棋の子」といったノンフィクション作品で知られる大崎善生氏(2024年8月死去)と
、プロ編入試験の大一番に臨む西山朋佳女流三冠の交流を伝える記事。
大崎夫人の高橋和女流曰く
大崎は最後の一冊に西山さんのことを書きたかったんだと思います。生きていれば何かを書いていた気がします。
将棋ファンから「棍棒を振り回す」とも形容される西山の剛腕の棋風を、大崎はことさら愛好したようだ。高橋曰く
大崎はいつも『西山さんの将棋はめちゃくちゃ面白いんだよ』と言っていました。コンピューターを使う将棋が主流になっている今だからこそ、将棋って面白くないと終わってしまうものだから、ということも。
一方で大崎氏は、AI世代かつ詰め将棋の申し子と言える藤井七冠の将棋を闘病の支えとしていた。大崎作品の愛読者であろう藤井にも大崎氏のメッセージは印象に残ったようだ。
西山に話を戻すと、に話を奨励会三段リーグで14勝してプロ入りできなかったのは過去に西山のみで、編入試験受験資格となっている直近の成績を踏まえてもプロと遜色ない実力の持ち主である。
編入試験最終第5局の対局相手は柵木幹太四段。奨励会時代にも多くの対局がある好敵手。柵木は地元中日新聞のインタビューに応えており、西山への敬意と静かな闘志に、好感を覚える。
棋士と女流棋士の違いについては、以前の記事の末尾に記した。