Apple AirTagは見守りGPSの代わりになるか?
Apple AirTagとは
Appleの商品にAirTagというものがあります。2021年4月に発売になった比較的最近の商品なのでご存知ない方も多いかもしれません。
リンゴマークがついた一回り大きなボタン電池といった見た目で、iPhoneやiPadと組み合わせて使用します。用途としてはカバンや財布などに装着して、iPhoneなどから、AirTagがどこにあるのかを調べることができます。さらに音もならすことができ、探し物の近くまできたときにはすぐに見つけることも可能です。内蔵電池はボタン電池のCR2032が使われており、1年程度持ちます。
今回はこの製品を子どもの見守りGPS代わりに使えないか確認した結果についてお伝えします。
見守りGPSとの比較
我が家では子どもが小学1年生になった際に、みもりGPSを導入しました。2021~2024年までの3年間の使用した感想をもとに比較をしています。
●位置精度
これについてはGPSが優れています。GPSをもとに位置情報を特定しているので、かなり精度よく子どもの位置がわかります。これに対してAirTagは周囲に他人のiPhoneがあればそれを利用して位置情報を伝えてくれるものになります。要するに近くにiPhoneがないと精度が落ちます。さすがに小学校のためiPhoneを持ち込む子どももおらず、先生方も私物のiPhoneは教室に持ち込んでいないのでしょう。最後にiPhoneが近くにあった場所として、毎日、小学校の前のあたりで位置情報が変わらなくなります。
●位置情報の更新頻度
みもりGPSではかなり頻繁に位置情報が更新されます。感覚的にほぼリアルタイムで学校から家に向かって移動してきているのがわかります。またアプリ内の機能で移動の軌跡をたどることができます。
これに対して、AirTagではタイムラグが多いです。「あれ?まだうごかない?」と思っていたら帰宅したということもちらほらあります。
●利便性
みもりGPSは、子どもの位置がわかるだけではなく、メッセージを送ることができます。その上で、子どもがみもりGPSのボタンを押したことが親にも伝えることができます。なにか事前に約束事を決めておけば子どもと連絡をとることができます。我が家では、「子どもの習い事が終わったらボタンをおしてね」と伝えておき、ボタンを押して親に通知がきたらお迎えに行くという使い方をしていました。AirTagでは、AirTag側からなんにも操作することができない(操作するボタンも何もない)のでこのような使い方はできません。
●手間
みもりGPSは、だいたい1週間に1回程度、USB充電を行っていました。電池が減ってくると親のスマホに通知が来て、ランドセルから取り出して充電をします。
AirTagは先に書いた通り、ボタン電池の寿命が約1年なのでほぼメンテナンスフリーです。
●コスト
今、みもりGPSを導入しようとすると、¥7,480(税込み)とのことです。時期によってはセールもあるようです。月額使用料は¥748(税込み)ですので、仮に2年間使用したとすると、¥25,432となります。ちなみに、不要になってもメルカリなどで販売することができないため、廃棄することになります。
これに対して、AirTagは、¥4,980(税込み)で月額使用料は発生しません。ボタン電池が1年の寿命なので、追加で発生するのはボタン電池1個分です。
●まとめ
以上の使い方から、費用面が許されるのであれば、見守り系のGPSをお勧めします。AirTagはコストが安いですが、位置精度や位置反映のまでのタイムラグなど、最も知りたい「子どもの場所」という情報に不正確が伴います。これでは本末転倒ですね。
ただ、AirTag自体は大変便利なものですので、こちらの活用については改めてお伝えしたいと思います。