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企業さんとのワークショップで「赤ちゃんの好奇心」を深掘りする過程をのぞいてみた!
こんにちは!「ピープル赤ちゃん研究所」の観察員、ライターのかのです。
2023年10月に開催される「教えて!赤ちゃんフェスティバル」。(通称、「フェス」)。
「赤ちゃんに聞いてみたいことがある人と、赤ちゃんをつなぐイベント」ということなのですが、そもそも赤ちゃんに聞きたいことがある人?企業?ってだれですか!?いったいなにを聞きたいの?
そんな疑問をもったわたくし。実際に赤ちゃんと、企業さんとがワークショップを通じてつながる機会があるということを小耳にはさみ、現地に突撃することに。
会場は今回も神田のWeWork。折しもこの日はとても暑い日。前回、冬にぽこ太郎を連れてワークショップにきたときは寒かったなぁ…。今日はぽこ太郎は保育園に預かっていてもらっています。身が軽い。一抹の寂しさを感じつつ、体の軽さを喜びつつ、取材に向かうワタクシです。
登場したのはほっかむりしたクマちゃん🐻
今日ワークショップに参加するのは、フェスに出展される某メーカーさん。(以下、出展社さん)
「赤ちゃんとカメラ」に関するプロダクトの制作につなげるため、「赤ちゃんが、どうすればカメラの方を向いてくれるのか」「赤ちゃん目線がどれぐらいの高さなのか」を確認したいとのことでした。
持っていらしたのは、クマのぬいぐるみ…にほっかむりでカメラを装着させた手作り感あふれるテスト機器です。
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赤ちゃんに見てもらいたくて、クマさんの人形にカメラをくくりつけたそうです。か、かわいい…。
このカメラがパソコンにつながっていて、出展者の方は、赤ちゃんが来るまで、カメラを調節しつつ、プログラムを書き換えたりして、調整を続けています。
今日のワークショップには、Sちゃんという9ヵ月になる赤ちゃんと、パパ、ママが参加。ずりばいが上手なお子さんです。
ワークショップの会場は、今日も白を基調としたおだやかな雰囲気。
赤ちゃん研究所のメンバーと、出展者の方が、まずは「すきすきモビール」で、Sちゃんの好奇心を探っていきます。
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Sちゃんが一番気になったのは「みそこし」でした。台所で、みそ汁のお味噌を溶かす、あれです。それを歯にひっかけてガジガジするのが楽しいみたい。
そのすきすきモビールの後ろの方から、カメラを装着したクマさんが、赤ちゃんの様子を静かに撮影しています。
解像度の高いコメントが気づきを促す
赤ちゃんの視力を体験する「赤ちゃんメガネ」を使ってみたパパとママ。
「意外と見えませんね…」「ぼんやりしている…」
という反応。
一方のSちゃんはせわしなく、パパがかけたメガネを手に取ってみたり、すきすきモビールの鏡を手に取ったりしています。ぶらさげられた赤ちゃんの顔の写真にも、強く興味を惹かれているみたいです。
すきすきモビールに反応するSちゃんを見て、こいたさんがコメントをします。
こいた:うしろにもモノがあるのがわかっているね。いちいち、顔があるものをチェックしてる。
ひらい:一つずつ品定めしているみたいですね。
こいた:好きがすっごいはっきりしていますねぇ。
かの:(そんなところにきづくんだ…!)
赤ちゃん研究所メンバーのアドバイスは、解像度の高さが感じられて、いつもはっとされます。
もちろん、それが本当に正しいのかどうかは、赤ちゃんのみぞ知る、なのでしょうけれど、「こうじゃないか?」と仮説を言葉にしてみることが、新しい気づきをさらに引き出すのではないか…と、感じました。
じっくり、じっくりと、Sちゃんの好奇心を見極める一同。
出展社の方も、その中に自然に入って、赤ちゃんの動きを感じ、言葉にしていきます。
Sちゃんの動きを見て、ママパパが選んだ好奇心の箱は、「きらきら」「いじいじ」「もみもみ」。
途中、クマさんカメラにも興味を持ったSちゃん。
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でも、もっと興味があったのは、箱の中に入っているアイテムだったみたいです。
薄くて丸いシリコンでできたフードカバーを、がじがじと、歯に延々とひっかけつづけています。
この子の今日の好奇心は、「かみかみしたい」だったんだね。
はじめはたくさんの人に囲まれて、少しぎこちない感じだったSちゃん、パパママも、みんなのウェルカムな対応にほぐれていきます。それにともなって、私たちもほぐれていく…。
最後に、カメラマンさんが撮影したSちゃんの写真を手渡すと、ママとパパは、「かわいい!!」と大喜びしていました。
赤ちゃんを味わうことに集中できる場所
ワークショップ2回目にして気づいたのですが、誰だって赤ちゃんが赤ちゃんであることをのんびり味わいたいはずなんですよね。
だって赤ちゃんはこんなにかわいい。そしてそのかわいい時期は一瞬ですぎさってしまう。
いまどきのパパママの毎日は、もしかすると、赤ちゃんのかわいらしさを味わうには、少々せわしなさすぎるのかもしれません(少なくとも私は…)。
ごはんのしたく、食事の介助、おむつ替え、買物、お風呂、掃除、洗濯、仕事…すること、しなきゃならないことが山積みで、なかなか赤ちゃんのかわいらしさ、おもしろさにまでたどりつくことができない。集中することができない…。
それに、赤ちゃんは自由過ぎて、ほおっておくと自分から危ない方向に転がって行ってしまうこともしばしば。安心に過ごしてもらいたい気持ちが強まると、つい不安の方が先にたってしまったりする。
けれども、このワークショップの場所は、赤ちゃんに接し慣れたたくさんの大人の見守る目があって、とっても安心。
ママもパパも、ここにいるときは、赤ちゃんに集中して、そのかわいらしさをゆっくりと味わうことができる。
さらに周囲の人は、基本的に全肯定主義だから、赤ちゃんのあり方や育児についてダメ出しをされたりするようなこともない。
この場所と、あり方そのものが、子育て中のパパやママにとっても、やすらげる場所なんだな…と。これが、2回目のワークショップの、観察員としてのわたしの気付きでした。
赤ちゃんの好奇心にアイデアが引き出されていく
さて、本題に戻りましょう。出展者の方に、ワークショップを終えた後にお話を聞いてみました。
かの:今日のワークショップ、どうでした?
出展社さん:赤ちゃんって、狙った通りには動かないんだなと。
それと、どう興味を持ってもらうかがすごく大事だなって思いました。
出展社さん:赤ちゃんの写真を上手に撮影するには、どうすればいいでしょうね…?映像?動くもの?光?それらにどれぐらい反応するんでしょう。
出展社の方にも、赤ちゃんの好奇心を爆発させるために、何を突き詰めていく必要があるのか、気づきがあったみたいです。
出展社さん:あと、下から見上げると赤ちゃんってかわいいなって。今までとは全然違う見え方でしたね。
出展社さん:そういえば、ワークショップを撮影しているカメラマンさんも、いつもすごく下から撮影していますよね…。
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赤ちゃんの好奇心、動きに引き出されて、出展社の方からさまざまなアイデアが出てきます…。
いわばこれは、赤ちゃんドリブン商品開発…!!!
ここでの気づきが、フェスの当日、どんな展示に反映されているのか、とても楽しみです!
フェスについて、くわしくはこちらから!!
https://fes.akachan-ken.com/