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豊かで、恐ろしい

大事にそっともっていって、それが失われてしまわないように息を止める。

ブログを書くことを始めて久しく経つけれども、今感じている感覚が一瞬で過ぎ去ってしまう儚さに最近は怯えてる。今この瞬間のことを残しておきたいからPCを開くんだけれど、PCのスイッチを押して、パスワードを打っている間に、さっきまでの感じはどこかへ消えて行ってしまい、もうそこには跡形もない。

ミスチルの歌詞に「この素晴らしい 煩わしい 気持ちを真空パックにしておけないもんかなあ」っていうのがあるけれど、まさにそんな感じ。真空パックみたいに、今の気持ちをお手軽に保存して後から何度でも味わいなおせる道具があればいいのに。そのときの空気を保存するのに私たちは写真やビデオを撮ったりしている。文章書くのだってそうだ。ただそのものたちは感じているものをそっくりそのまま味わうのに完璧なものではない。完璧さをつい求めてしまう悲しい性よ。

演じることは、また少し趣向が違うけれど、書くことと似ている部分が多いように感じる。役者は、演じる役の生きる世界で感じている同じ体験を生活の中で体験しなおす。その体験で感じたこと、その感覚を何度も体に刻み付けて、保存する。そして、舞台の上で「その感じ」をリアルに感じて、自分の体を使って表現していく、これが演劇。そのとき感じた一瞬の感覚を、言葉に置き換えて伝えるのが文章。

演じることも、書くことも、感度をぐんとあげて、感じたことを保存して、表現するという点ではおんなじだ、媒体が少し異なるだけ。

まだまだ書くことも、演じることもはじめたばかりだから多くのことは語れないけれども、どちらもとても豊かで奥深くて、そしてとても恐ろしい。このことだけはわかっている。

もっと書けるようになりたいし、舞台で真に生きられるようになりたい。これが今の私の今の等身大の言葉。

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6月10日、奈良県生駒市で舞台があります。元気いっぱいな八百屋さんの役として出ます。チケット、こちらから引き続き申し込み受付中です。

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