娘をもつ全世界のパパが号泣するだろってレベルのアニメ「かくしごと」に泣かされた娘もちパパの夏
突然ですが、私はそこそこアニメやマンガが好きです。そこそこ、というのも、子どもの頃には人並みにコロコロコミックや週刊少年ジャンプを愛読し(その頃はマガジンやサンデー、ガンガンやボンボン?にはあまり惹かれなかった)、お小遣いでボボボーボ・ボーボボや花咲か天使テンテンくんなんかのギャグ漫画を集めてはいましたが、「マンガ好きです!」と言えるほどの読書量も、熱量もあったわけではありませんでした。
ちなみに、人気大道少年マンガで最後まで読んだことがあるのは、ドラゴンボールと鋼の錬金術師くらいです。
そんな私なんですが、社会人になって、時々無性にマンガを読んだり、アニメを見たりしたくなる時期があるんです。そんな時はレンタルショップでコミックやDVDを借りたりして、文字通り貪るようにイッキ見するわけなんですが、つい先日、久しぶりにアニメスイッチが入ったんですね。
その時に触手を伸ばしたのは、アニメ「かくしごと」。
ある程度話題になった作品なので、アニメ・マンガ好きの方々は当然ご存知だと思いますが、ざっくりとあらすじの説明を。
主人公の後藤可久士(ごとうかくし)は、下ネタまじりのちょっと下品なギャグ漫画が少し売れてる、中堅の漫画家。小学生の1人娘である姫(ひめ)を男手ひとつで育てながら、娘には自分が漫画家であるということをひた隠しにしています。毎朝スーツを着て家を出て、顔馴染みの服屋さんでわざわざラフな仕事着に着替えてから仕事場であるマンションの一室に向かい、帰宅する時には再びスーツに着替える・・・など、漫画家であることを娘に隠すためなら、文字通りなんでもする!という人物です。
隠し事=描く仕事 なわけですね。(このダブルミーニング思いつくのマジ天才)
「こんな姿を見られたら、姫に漫画家だとバレてしまう!!」
など、いやいや!さすがにそれじゃバレないでしょ!と突っ込みたくなる心配性ギャグが満載の、ほのぼのしたゆる~い空気感がたまらない作品です。
また、私がとても面白かったのは、ところどころに出てくる「漫画家あるある」。
「漫画家に好きなように描かせないのが編集の仕事ですから!」
「年末パーティーでスーツ姿の編集の横にいる薄汚いのが漫画家だ」
「漫画家はみんなロリコンだ!」
など、思わずくすっとしてしまうパワーフレーズが随所にちりばめられています。
そして、主人公の娘である姫ちゃんがかわいい!!かわいすぎる!ロリコン的な意味じゃなくかわいいマジで天使!
大人びていて、気が利いて、どこか気を使いすぎるようなところもある、健気な女の子。
姫ちゃんを見てると、我が娘を抱きしめたくなりますよ。マジで。(思い切り抱きしめてちょっと面倒がられた)
さて、ここまでは楽し気なギャグ要素についてふれてきましたが、「かくしごと」の本当の魅力は、シリアス回とのギャップにあります。
原作はまだ読んでいないので、どんな構成になっているか分からないんですが、アニメでは、いろいろとトラブルがありつつも楽し気な日常の話かと思いきや、急に場面が変わり、まったく違う作品かと思うくらいの張りつめた、どこか切なく、どこか寂しい空気感が押し寄せてきます。
画面にひとり映し出されるのは、高校生に成長した、主人公最愛の一人娘、姫。
果たして、父子に何が起きたのか。そして、「かくしごと」はどうなったのか。
鮮やかな色彩で描かれる海、青空、入道雲など、美しくもどこか儚さを感じさせる風景の描写もたまりません。
世の娘をもつパパさんは、ひとりでこっそり見ましょう。目からなんか出ます。そしてその状態のまま、娘をぎゅっと抱きしめたくなります。泣きながら娘を抱きしめでもした日にゃ、しばらく不審者扱いでしょう。良くて「ママがいい!」連呼、最悪の場合「パパ気持ち悪い」。気を付けましょう。
見終わった後、優しい気持ちになれる名作です。ぜひ。