2023 大阪杯

 こんにちは、pakaです🐴
 今回は大阪杯の予想記事となります。実力馬が揃った印象ですが、期待できる穴馬から勝負したいと思います。
 中山記念の予想記事と同様に、レース展開について簡単に整理してから、それを踏まえた印と見解をまとめていきます。印・買い目と各馬についての見解は後半に載せているのでそこだけ見たい方は目次からどうぞ(^^)

I 展開の予想


 まず、予想の仕方として、有力な馬が多く絞るのが難しいレースの予想をする際は、ラップの傾向を調べることから始めることにしている。どの馬にも基本的には得意なレース質・不得意なレース質があるためである。コース形態の把握についてもラップ傾向の理解の助けとなるので、ここで併せてまとめることとする。

①コース形態

 阪神・芝2000m(内回りコース)で行われる本レース。コーナーは4つで、スタート直後・ゴール前で2回急坂を上る。最後の直線は約357mと比較的短め。3コーナーから最後の直線途中にかけては緩い下り坂となっており、ペースが上がりやすい。極端な追い込みは届きづらいが、坂で先行馬が止まる場合は差しも決まる。
 このコース形態から、2回の急坂に耐えるスタミナを持った先行馬や差し馬を中心に組み立てるのが定石となる。

②ラップ傾向

まずは過去10年のラップ推移↓

大阪杯・過去10年のラップまとめ


平均ラップのみ抽出しグラフ化するとこのように↓

大阪杯・過去10年の平均ラップ推移

 テンの2Fでポジション争い→中盤はやや緩む→7Fから加速し始め、最後は減速といったラップを刻む傾向。基本的にはラスト4F勝負になる。上述のコース形態と照らし合わせると、下り坂でペースが上がり、最後の急坂で減速していることが分かる。

③2023大阪杯ラップ予想

 ここでは①、②で扱ったコース形態・ラップ傾向を踏まえて、今年の大阪杯のラップを予想していく。平均ラップをそのまま予想に流用するのではなく、それを踏まえてラップを予想することが肝要。(と最近は思っている。)

 ラップの予想は言ってしまえば逃げ馬の予想である。どの馬が逃げて、どのようなペースを刻むことになるかを予想する。今回の場合は、これまでのレース振りから恐らくジャックドールの逃げる展開となるだろう。控えた場合、洋芝で行われる札幌記念では結果を出したものの、高速馬場では基本的にキレ負けしているためである。
 では、ジャックドールがハナを奪うとしたらどのようなペースになるのか。都合の良いことに昨年の大阪杯にもジャックドールが出走し、ペースを握っているので参考にしていきたい。上述の過去10年ラップまとめの中の2022年のラップ(12.3-10.3-12.0-12.2-12.0-12.1-11.7-11.5-11.8-12.5)が、ほぼジャックドールの刻んだラップと言える。他の年と比べると明らかに2Fが速いことが分かるが、これはアフリカンゴールドが外から強引に競りかけてきたのを振り切ってハナを奪ったためである。さらに、中盤も平均ペースと同等以上のペースで流れており、前に行った馬にとっては厳しい展開だったと言える。

過去10年の平均ラップ(青)と2022大阪杯ラップ(橙)の比較

2022大阪杯の前半5Fは58.8。ジャックドールにとって前半5Fを58秒台で通過するペースはこれまでに経験がなかった。それでも0.5差の5着にまとめたあたりはさすがと評価できるが、できればもう少しペースを落としたいところであろう。今回のメンバー・枠順を見ると、内側に強力な逃げ・先行型のマリアエレーナ、ノースブリッジがいるが、これらはハナを主張せずとも結果を出してきている馬で、無理に競ってくることは考えづらい。鞍上の武豊騎手も絶妙なペースでの逃げが上手い騎手。ただ、スローに落とし込みすぎるとジャックドールにとっては不利な瞬発力戦になるため、そこそこのペースは刻みそう。これらのことから、前半ペースは昨年より少し落ち着くぐらい、前半5F59.0〜59.5程になると想定する。土曜のレースを見る限りは時計もある程度出る印象で、2023大阪杯の決着タイムは1:58.0前後を想定。

④整理

①〜③を踏まえた、狙いたい馬のタイプとしては以下の通り。
・好位につける追走力
・コーナリングが上手い
・坂を苦にしない
・後半4F戦に対応可能(長く良い脚を使える)

II 印・見解


◎8.ラーグルフ
◯11.スターズオンアース
▲14.ヒシイグアス
△2.マリアエレーナ

買い目
・単複:◎
・馬連BOX:◎◯▲△(6点)


・三連複BOX:◎◯▲△(4点)
・三連単フォーメーション:◎◯→◎◯▲△→◎◯▲△(12点)

単複が本線。馬連は上振れ狙い+本命が来なかった時の抑え。
三連系は買うか未定。買うとしても添える程度に。

本命

◎8.ラーグルフ

 本命はラーグルフ。人気はそこそこでも能力的には十分通用すると考える。本馬の強みは好走レンジの広さ。スローからの直線勝負でも、中盤にしっかりと負荷がかかる展開でも結果を出している。また、ピッチ寄りの走法のため、直線が短くコーナーが4つある今回のコース適性はドンピシャ。坂も中山を得意としている本馬にとっては全く問題ない。さらに、位置取りについても枠順的に中団〜やや前目を自由に選べそうなのも加点ポイント。今年の中山記念でやや後ろからの競馬になったのは中山1800のコース形態と外枠の相性が悪いためで、今回は枠順的にもコース形態的にもその心配がない。(中山1800は直線までの距離が短く、外枠から先行ポジションを取りに行こうとするとかなり脚を使わされてしまう。)
 ただ、それだけでは有力馬の多い今回、本命を打つには足りない。今回、ラーグルフに本命を打った最も大きな理由は、本馬の成長度である。ラーグルフはモーリス産駒であるが、モーリス産駒は晩成型で、3歳秋〜4歳にかけて完成されていく傾向が見られる。

モーリス自身も4歳になってからGI6勝を含む11戦連続連対を記録。

ラーグルフはモーリス産駒の4歳。上記の覚醒時期に当てはまっており、今まさに覚醒タイミング真っ只中と捉えることができる。
 そのように考えられる根拠が2走前と前走のクッション値にある。本馬は元々低クッション値で結果を出してきた馬で、高クッション値での成績は振るわなかった。しかし、2走前の中山金杯ではクッション値9.7の条件で勝利。前走の中山記念もクッション値10.0の条件で2着。勝ち馬のヒシイグアスは休養明けではあったが、好走レンジとしてはドンピシャのレース(高クッション値且つ持続力勝負展開)であり、それを不利な外枠から猛追し、3/4馬身差の2着にまとめたラーグルフに対しては相当の評価が必要。着順自体よりも、レースラップが加速していくコーナーで大外をぶん回しながらも直線で追い上げた内容を評価したい。
参考として、ラーグルフの戦歴とクッション値を簡単にまとめたものが以下の画像。(黄色→1着、灰色→2着、薄橙色→3着)

参考:ラーグルフ戦歴・クッション値

ここ2戦は、これまでの好走条件と異なるところで好走が続いており、馬自身の成長を示唆している。欲を言えば、レース前に一雨降って元々の得意条件である柔らかめな馬場になってほしかったが、高クッション値でも近走のパフォーマンスを鑑みれば十分に買える。
 今回は近走の充実度、コース形態等から本命をラーグルフとした。もちろん他馬も非常に強力だが、それ故に覚醒中かつ得意条件のラーグルフをこのオッズで買うことができるとも言える。非常に楽しみな一戦。

対抗

◯11.スターズオンアース

 シンプルに強いスターズオンアースを対抗に。様々なレース質で好成績を収めており、総合力の高い一頭と言える。
 大阪杯と同舞台で行われた秋華賞のラップ構成(1:58.6 / 12.2-11.2-12.3-12.3-11.7-12.3-11.8-11.5-11.5-11.8)は中盤がやや緩むロンスパ後半力戦で、今回想定しているラップと親和性がある。その秋華賞では直線を能力で何とか追い上げていると言った内容に映るが、骨折明け・スタートの不利を鑑みれば十分すぎる内容。ちなみに、オークスのラップも(2:23.9 / 12.4-11.0-11.9-12.6-12.7-12.5-12.3-12.1-11.6-11.3-11.7-11.8)と、後半は11秒台を連続で刻むラップとなっており、本馬の後半力は十分に担保されている。また、本馬はどちらかと言うと高クッション値の方がハイパフォーマンスのため、馬場も向きそう。
 ただ、ストライドが広めな走法のため、本質的には阪神内回りは相性がそこまで良くないと思われる。また、怪我明けなのも割引。(追い切りの様子を見るに杞憂かもしれないが。)
 不安要素はあるが、能力で突き抜ける可能性もあるので対抗評価とした。

単穴

▲14.ヒシイグアス

 単穴は地力最上位のヒシイグアス。重度の熱中症からの復帰初戦だった中山記念でいきなり勝たれたら今回も買いたくなってしまう。本馬が他馬と比べ圧倒的に高いパフォーマンスを発揮できるのは序〜中盤から締まったラップを刻む持久戦。(例:2021中山記念、2022宝塚記念)その点、今回想定する中盤若干弛緩→ロンスパの展開は適性からは少々ズレているが、例年より中盤が緩んだ今年の中山記念を勝ち切ったことからある程度対応可能と見る。
 また、10越えの高クッション値での成績が非常に良く(3.1.0.1)、一週間晴れっぱなしの影響で高クッション値の今回も当然期待できる。外枠が割引材料ではあるが、前走よりも状態を上げてきているだろうし上位人気でも素直に抑えておきたい。

連下

△2.マリアエレーナ

 連下にはマリアエレーナを据える。本馬はスピードを持続させることができるのが持ち味。2022小倉記念では(1:57.4/12.4-11.0-11.3-12.2-12.0-11.8-11.7-11.7-11.6-11.7)といった、後半ずっと11秒台のタイトなラップを刻んでおり、今回想定のロンスパラップとも親和性がある。これについては馬格の無い本馬にとって、小回り平坦コースの小倉2000が相性良かっただけという見方もありそうだが、中京2000や阪神2000でも好走しており、急坂への適性も十分と考えられる。スローからの瞬発力勝負や重い馬場での成績は苦手で、凡走時は大体それらに当てはまっている。前走の金鯱賞も良馬場の割に低めのクッション値。(当日朝9.0発表)内枠のアラタに強気にポジションを取られ、レースに参加できなかったため完全に度外視可能。今回は高クッション値の高速馬場・小回りコースで得意舞台戻り。近走の敗因が明確なだけにここは期待したい。

その他 各馬について

(ジェラルディーナだけ長々と書いているのは枠順や馬場次第で抑えるつもりだったため。)

・1.ジェラルディーナ

 
ラーグルフの項でも触れたようにモーリス産駒の覚醒タイミングの見極めは重要である。本馬もモーリス産駒で、昨年の秋冬はオールカマー1着、エリザベス女王杯1着、有馬記念3着と、一線級を相手に好成績を残し、勢いがある。これもモーリス産駒の覚醒と捉えることができる。(本馬は元々低めのクッション値で好走してきたが、昨年夏には鳴尾記念2着、小倉記念3着と、得意条件と異なる高クッション値で好走しており、これも覚醒の合図だったと言える。)
 本馬の特に得意とするレース質はロンスパ戦であり、オールカマーもエリザベス女王杯も中盤が緩み、後半にかけて徐々に加速していくラップ構成だった。今回の大阪杯もコース形態等からそのようなレース質を想定しているため、その点本馬は評価できる。
 ただ、オールカマー〜有馬記念までの3戦は元々得意条件だった低クッション値。高クッション値替わりとなると近走受けてきた恩恵は受けられなくなるので地力でどこまで通用するか。また、距離短縮・最内枠もプラスには働かないかなと。

・3.モズベッロ

 渋った馬場且つ一昨年のような変則的なペースになるならば好走することも考えられる。

・4.ノースブリッジ

 枠は内側にマリアエレーナを見ながら先行できそうな好枠。ただ、本馬は基本的に低クッション値での好走が目立つため、高クッション値得意の同型がいる今回はそちらを優先。

・5.ワンダフルタウン

 近走はペース的に適性外のレースだったり不利を受けたりで見直せる部分はある。ダービー以前のような調子に戻り、展開向けばチャンスはありそう。

・6.ヴェルトライゼンデ

 一瞬のキレで勝負するタイプではないが阪神内回りの後半持久力戦なら。ピッチ寄りの走法でコース形態との相性も良い。枠も良い。渋った馬場で強いイメージもあるが、鳴尾記念で示したように高クッション値にも対応可能。
 ただ、至る所で言われているように手前替えは課題。今回は馬券戦略的に印は回していないが、展開・本番のパフォーマンス次第ではあっさり勝ちそうまである怖い存在。

・7.マテンロウレオ

 持続力型。阪神2000での勝ちもありコース適性も問題ない。前走もドウデュースには千切られたものの最後までよく伸びている。穴馬として買うのはありかもしれない。晩成のハーツクライ産駒でこれからにも期待できそう。

・9.ジャックドール
 
 
正直一番取捨に悩んだ馬。というか点数広げることに抵抗無いなら抑えるべき。
 展開予想の項で述べたように、昨年より楽なペースを刻めそう。とは言っても、ペースを落としすぎるとキレ負けしそうで、ある程度流れるペースは作りたいのかもしれない。差し馬が強力なことや海外帰り休み明け初戦という点で今回は軽視してみることとしたが、名手を背にどこまで。

・10.ポタジェ

 金鯱賞の敗因がよく分からない。単に叩きだったと考えれば買えるかもしれないが。

・12.キラーアビリティ

 瞬発力というよりかはスピードの持続型的なイメージで、今回は展開次第では馬券に絡んでくるシーンもありそうではある。ただ近走の打点から馬券戦略的には切って勝負したい。

・13.ダノンザキッド

 真面目に走れば強いが、阪神内回りコースが合うようには見えない。前走は内枠が仇となった感はある。

・15.ヒンドゥタイムズ

 人気よりはチャンスありそう。しかし、渋った馬場で買いたいタイプで、高クッション値かつ外枠の今回はどうか。

・16.ノースザワールド

 2着の時の相手が大体強い。ジャックドール、イズジョーノキセキ、ピンハイなど錚々たるメンツ。しかし、今回のメンバーの中で大外から打点的に足りるかと言われると、悩ましいというのが正直なところ。
 

III まとめ


 本記事ではコース形態、ラップ、モーリス産駒の覚醒タイミング等様々な角度から考察してきた。世間的には5強と見られていそうな今回のレースだが、覚醒したモーリス産駒・ラーグルフが波乱を巻き起こす可能性は十分にあると考える。ここを制し、その成長曲線を父と重ねることができるか。楽しみに見守りたいと思う。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!






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