見出し画像

イーサリアムをざっくり解説(専門用語なし)

今回は、専門用語なしでイーサリアムをざっくり説明します。

イーサリアムについては、
「NFTを作るときに必要なチェーンだというのはなんとなく分かっているけど、いったいどういうものなんだろう?」
と、疑問をお持ちの方も多いかと思います。

今日は、そのふわっとしたところをやさしく解説していきます。

NFTについて

NFTという技術の出現によって、イラストなどを「世界で○○個だけしかない」と、発行量を定義してそれを証明することができるようになりました。
デジタルデータは、これまでは無尽蔵にコピーし放題だったため、価値を付けることが困難でした。
NFTを使うことにより、データの供給量を定義でき(例えば世界に1個だけなど)、それを証明することが出来るため、ネット上でデジタルデータに価値をつけることができるようになりました。
ここまでは、NFTのおさらいです。

ブロックチェーンについて

このNFTは、ブロックチェーンという技術で作られているのです。
ブロックチェーンは、「AさんからBさんに作品を受け渡した」、というやりとりの記録などが、誰にも改ざんできない方式で記録されていく仕組みです。

細かい話は置いておきみあすが、やりとりの記録が誰にも改ざんできないため、インターネット上に「お金」や「通貨」のような、とても重要なものも作り出せるようになりました。
その一番有名なものが、ビットコインです。
イーサリアムは、ビットコインの次に有名なブロックチェーンの仕組みです。

イーサリアムについて

イーサリアムは、ビットコインにはない特徴があります。
お金のやりとりを改ざんできなくするだけでなく、ほかにもいろんなものを改ざんできなくする機能があります。
イーサリアムのブロックチェーン上には、様々なアプリケーションを乗せて動かすことができるのです。

例えば、ネット上のカードゲームです。
そのゲーム内に出てくる世界に、1枚しかないと謳われているレアカード(カードのNFT)が、本当に世界に1枚であることを定義し、改ざんできないようにすることができます。

従来であれば、ゲームの運営元が「そのカードは、この世の中に1枚しか存在しない」ということを謳って保証することで、ゲームプレイヤーはそれを信じていました。
それが今後は、世界中の誰もが、たしかにそのカードは世界に1枚しかないことを検証できて、改ざんすることが出来ないのです。
これが、NFTの仕組みです。

改ざんできないプログラム

NFTと同じく、プログラムも改ざんできないようにできます。
例えば、毎朝7時にアラームを鳴らすプログラムがあるとします。
誰かがいじらなければ、明日の朝7時にアラームが鳴りますが、もし一緒に住んでいる親や兄弟に時間を変更されてしまうと、朝7時にアラームはなりませんよね。

8時に変更されたら、プログラムが改ざんされてしまった、ということです。
絶対に朝7時にアラームを鳴らして欲しいのに、改ざんされてしまったら、とても困ります。
イーサリアムを使うと、このアラームを朝7時にセットしたら、絶対に朝7時にアラームを鳴らすことができる、というイメージです。

「改ざんが不可能」という革新

大したことが無いように思えるかもしれませんが、こういったことは、ブロックチェーンがなかった時代には実現不可能だったのです。
人類がこういうことができるようになったのは、ここ数年のことなので、とても凄いことがいま起こっているのです。
これらを可能にしたのが、イーサリアム(のスマートコントラクトという仕組み)なのです。

でも、「決まった時間に絶対にアラームが鳴るって、それってそんなに凄いことなの?」と思った人もいるかもしれません。
何度も言いますが、これは凄いことです。

例えば、大きな会社が100億円という大金を別の会社に送る必要があったとします。
アラームと同じく明日の朝7時に100億円を送るプログラムを作ったとします。

これまでだと、このプログラムをネットに置いておくと、誰かがこのプログラムを改ざんすれば、その100億円を犯人の個人口座に送ることができます。
ところが、この「100億円を、どこへ送る」というプログラムを、イーサリアムを使えば、誰にも一切改ざんすることができないようにできるため、悪いことができなくなるのです。
誰にも絶対に"改ざんできない"ということは、それほどすごいことなのです。

この仕組みを使うとお金など価値あるモノのやりとりが、かんたんに世界中でルールにしたがって送り合うことができます。
高いセキュリティが求められるやりとりほど、メリットがあります。
これを応用したものが、NFTなのです。
イラストやアートを世界に○○個だけと決めたら、それを改ざんできないようにしたものだからです。
当初は世界に1個だったのに、途中で改ざんされて100個も発行されましたということは、あり得ないのです。
だからこそ、デジタルのデータに希少価値が付いて、高い値段でアートが売り買いされたりしているのです。

イーサリアムは、NFTのような「イラストやアートを世界にひとつだけと決めるプログラム」以外にも、さまざまな応用ができるので、大変注目を集めているわけです。
最近では、銀行で行われている「両替」や「為替」といった機能をイーサリアムで作った仕組みも出てきて、世界が変わってきています。
イーサリアムのブロックチェーンの上に、「無人で自動的に動き続ける銀行」が誕生しているのです。

イーサリアムは、まだ生まれたてのテクノロジーなので使いづらいところも多くあります。
しかしそれでもなお、イーサリアムが実現している様々な新しい仕組みは、世界の仕組みを変えつつあります。

これから、もっともっと、社会を劇的に変化させるような仕組みが作られていくことでしょう。
あと10年もすれば、イーサリアムはスマホのように誰もが使うことになるでしょう。


※この記事は、パジ(@paji_a)の発言をベースにかねりん(@kanerinx)が編集して記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)

ここから先は

0字

¥ 200

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?