NFT発の新IPが、既存IPに勝つ未来【インセンティブ設計】
今日は、NFT発で生まれつつある「新IP」について書いていきます。
NFTが既存ビジネスにもたらす影響が大きすぎて既存ファンの理解が追いつかない中、私には、NFT発でスタートした新キャラクターの独擅場になっているように見えます。
繰り返される歴史
いつの世も、歴史は繰り返すのです。
ファミコンの……マリオ。
ソシャゲの……パズドラ。モンスト。
NFTの……BAYC。CryptoPunks。
日本でもCryptoNinjaなどNFTコレクションを筆頭に、”新IP”の息吹が芽生えて来ています。
世間から見ればまだ狭いコミュニティではありますが、確実に認知とエンゲージが高まってきています。
これは、まだまだ序章なのです。
NFT初の新IPは、何が新しいのか?
NFT発の「新IP」が、「従来のIP」と決定的に違う点は何でしょうか?
それは、
NFTである時点で、「コミュニティへの金銭的インセンティブ」がデフォルトで組み込まれて設計されている点
です。
例えば、BAYCのファンが自身でNFTを保有し、SNSを通じて”口コミ”を広めていくと、そのファンにもメリットが発生することになります。
どういうことでしょう?
ファンが勝手に宣伝してくれる
ファンがSNSを通じて、自分の”推し”キャラへの愛や作品の面白さを伝えてナチュラルな宣伝行為をしてもらうことは、SNS時代に入ってより加速しました。
宣伝っぽくない宣伝ですね。
宣伝というより、口コミに近いでしょう。
広告効果としては、TVCMや検索広告などと比べても最高のパフォーマンスです。
ところが、ファンが盛り上げて育ったIPの価値は、企業だけに収益が戻る構造でした。
ファンに対しては、金銭的なリターンが無いのです。
NFT発の「新IP」の場合、ファンの宣伝活動が、回り回って自身が保有しているNFTの価値を上げることに直結します。
金銭的リターンが得られるわけですね。
個々の力は弱くても、Discordなどのコミュニティでまとまってアクションを起こすと、フラッシュモブ的な一大ムーブメント等を引き起こし、口コミが増幅され、とてつもない宣伝効果を生み出せます。
しかし、ファンの皆さんは言うでしょう。
「そんな金銭的メリットのために応援しているのではない!」
まぁそうかも知れませんが、そう目くじら立てて拒絶するものでも無いと思うのです。
なぜなら、
『インセンティブ』設計があるNFT発「新IP」
ビジネス的にヒットしても、金銭的メリットは企業にしか入らない「既存IP」
とでは、ファンの求心力に関して無視できない差が生まれ、それは歳月を重ねる毎に大きくなっていきます。
ですから、新IPは、その構造上、絶対的な強みを持っていることになるのです。
これは、スタートアップでいうところの"ストックオプション制度"のようなのものと近い話です。
「新IP」がビジネス的にもうまくいったら、仲間にも金銭的報酬を還元するよ、といった話に近い。
近年、ネット上のファンの力によって支えられるところが大きい「IP」ビジネスにおいて、この設計差は決定的な差となっていくことでしょう。
「既存IP」としては、後付けでも良いので、今後ファンに対するインセンティブ設計を何かしら生み出していかなければ、新IPに全く太刀打ちできなくなることでしょう。
今後5年・10年後の将来を考えると、「既存IP」は金融機能のレバレッジを持たない「竹槍」で、新しい”IP合戦関ヶ原”を戦うことになるでしょう。
ファンの抱えるジレンマ
新たなインセンティブを設計をしようとする既存IPが抱えるであろうジレンマは、ファンにも利益がもたらされる設計を既存のファン達が望まず反発に遭うことです。
既存ファンの人々は、"純粋な気持ちでIPを応援したい気持ち"が強いのです。
これまでの心地いい制度に慣れてしまったファンたちは、特別な変化を望まないため、一種のしがらみを生み出します。
そう考えると、NFT発「新IP」はこの差別化の武器を大いに使っていくことで、強大な既存IPに対してまだまだリードを広げることができそうです。
NFTの先には、NFTコミュニティメンバーの”行き先”をみんなで決めるためのガバナンス・トークンも控えているのです。
ガバナンス・トークンは、私には、信長に天下統一をもたらした”鉄砲”のように見えて仕方が無いのです。
NFT発「新IP」も、「既存IP」も、ファンへの金銭的報酬を自然な形でお返しする枠組みは大事。
文化として根付いている、二次創作や限定特典などをネットやNFTを通じて表現することで、”次世代をリードするIP”が数多く生まれてくると思うと、ワクワクしますね。
※この記事は、パジ(@paji_a)の発信をもとにかねりん(@kanerinx)が編集してNFT記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)
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