【Snapshot.org】DAOの運営に欠かせないガバナンス・トークンの投票所
NFTに触れていると、『Snapshot(org)』というURLを見かけることがあります。
これは、まだ一般の方々にはあまり知られていないと思われる「ガバナンス・トークンの投票所」です。
近頃話題のDAOとも非常に密接な関係にあるので、今日は、Snapshot.org について解説します。
Snapshot.org
Snapshotは、先日、有力なベンチャーキャピタルから400万ドル(=約4.5億円)を資金調達したことで話題になりました。
創設者のFabien氏は、将来的にはSnapshot自体のガバナンス・トークンの配布も示唆しました。
ガバナンス・トークンを扱う投票所だからこそ、サービス自体のガバナンス・トークン配布への期待感も高まります。
関連記事:Snapshot Labsが400万ドルのシード資金を調達し、DAOガバナンスソリューションを構築
ガバナンス・トークンとは?
ガバナンス・トークンとは、「ブロックチェーン系コミュニティの意思決定するための投票権」のことです。 Snapshotは、ガバナンス・トークンで投票を行うための投票所。 NFTでブロックチェーンを知った人にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、「Uniswap」や「AAVE」など数多くの有力なプロジェクトが採用している投票所です。
中央集権的な存在がいないブロックチェーン・プロジェクトでは、コミュニティ内で意見が分かれてしまった場合、そこで身動きが取れなくなってしまいます。
そこで、「投票」を行って進むべき方針を民主的に決定する仕組みが必要になります。
Snapshotは、すでにその分野において独占的なポジションを築いている代表的なWeb3.0投票所なのです。
Snapshotでの投票の仕組み
Snapshotのサービスに、メタマスクなどのウォレットを接続します。
次に、各プロジェクトごとに指定されたトークンに応じた票数を署名付きで投票します。
ENSなら、 $ENS トークンで投票する。
NinjaDAOなら、 $CNGTトークン(仮)で投票する。
というイメージですね。
一度投票するとキャンセルはできず、改ざん不可能な投票が行えます。
株式と似ており、ガバナンス・トークンの枚数が投票数になることが一般的です。
つまり、ガバナンストークンを5000枚持っていたら5000票ぶん投票できる、というイメージです。
Snapshotは、Ethereum Name Service(ENS)を保有していれば、誰でも投票所を設置することができます。
ここでいうENSとは、 $ENSトークンのことではなく、ENSのドメインのことです。
「paji.eth」のような、「~~.eth」という文字列のことです。
関連記事:ENSとはなにか? 関連記事:ENSの運営がDAO化されることの意義
あなたがNFTコレクションを運営していて、コミュニティのみんなでDAO(自律分散型組織)へ移行を目指しているとします。
ENSで”確認”を取ると、Snapshot上でプロジェクトごとに投票所を作ることができますよ。
Snapshotの活用事例:「Loot」
Snapshotの活用事例を、ひとつ紹介しましょう。 「Loot」というNFTのプロジェクトがあります。 このプロジェクトは、コミュニティ向けに初期配布された7,777枚のNFTを投票権とした最初の決議によって、 $AGLD というガバナンス・トークン(ERC20)による投票制度に切り替わりました。
Lootは当初、Discord内にいたひとりのエンジニアが、LootのNFTを持っている人を対象にして1NFTあたり1万枚の非公式のガバナンス・トークン= $AGLD を引き出すことができるようにして、無償配布をしました。
それが後に、Snapshot上の投票により、"公式"のガバナンス・トークンとなったのです。(画像参照)
※当時の投票で僅差で可決されたログ。
AGLD をはじめ、ガバナンス・トークンは、暗号資産と同じERC20という規格で作られているため、UniswapなどのDEX(自律分散型取引所)でも流通します。
AGLDはバイナンスやコインベースなど大手取引所にも上場し、10,000枚無償配布された$AGLDに500万円ほどの価値がついた(時価総額)ので話題となりました。
CoinGecko:$AGLDの価格
妄想が膨らむガバナンス・トークン
ちなみに、Snapshot上の投票は、ガバナンス・トークン(ERC20)でも行えますし、NFT(ERC721)でも可能です。
また、Delegate(デリゲート)と呼ばれる「国会議員」的な代表者に投票権を一任するような機能にも対応しています。場 ここまで整っていると、将来はブロックチェーンで”国家”が作れるかもと妄想が膨らみます。
収益分配や要職など、プロジェクトの未来を決める重要な意思決定に影響を与えられるのがガバナンス・トークンです。
まるで株式のような機能を持ち出していることも、注目を集める1つの要因でしょう。
ただし、法的な保護が無いことや、活用次第では証券性も帯びてしまう可能性があることには注意が必要です。
日本では、下手をすると法に触れる可能性があるため、活用する際には詳しい弁護士等に相談した方がよさそうです。
DAOには欠かせない存在の"ガバナンス・トークン"
そしてブロックチェーンを通じて投票できる"Snapshot"
今後、資本主義社会において一般的な組織の形をディスラプト(破壊)するといわれる「DAO」にとって、最重要パーツのひとつになりそうな予感をひしひしと感じますね。
※この記事は、パジ(@paji_a)の発信をもとにかねりん(@kanerinx)が編集してNFT記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)
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