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トークンエコノミーとDAO

今日は、「トークンエコノミー」について語ります。

いま、世界経済の仕組みが根本から変わりつつあることに気がついているでしょうか。
これまで資本主義経済を大きく発展させてきた、株式市場/金融の仕組みが、トークンエコノミーによってアップデートされようとしているのです。

資金調達

ブロックチェーンの登場によって、高い信用力を持つ権力的存在が不要になりました。

「資金調達」は、事業へ先行して投資してもらう性質のものです。
資本主義社会を維持・発展させていく上で、とても便利な仕組みです。
歴史上、資金調達の方法は、「株式(エクイティ)」と「借入(デッド)」の2つしかありませんでした。
そこに突如として現れたのが、ブロックチェーンを使った「トークン」による調達です。

トークンによる調達をざっくり説明すると、「ブロックチェーン上に、改ざんできない株券のようなものを誰でも発行できるようになり、世界中の誰でも売買が可能になった。」ということです。
デッド/エクイティに次ぐ第3の選択肢として、「トークン」による調達という手法が、つい最近生まれたのです。

トークンによる資金調達の仕組み

イーサリアムチェーンのスマートコントラクトという機能を使うことで、「トークン」により事業投資に必要な資金を調達することができるようになりました。
観測できる範囲だけでも、既に数千億円以上の資金調達が、イーサリアムを通して行われています。
国家や金融機関なしで株式の仕組みを作って運用されているのです。

これまで、株式による資金調達の場合は、"事業収益の中から次の投資をしていく"というスタイルでした。
ブロックチェーンが持つ金融的機能の活用をカンタンに行えるようになると、この従来のスピード感を超越して、次々と事業やサービスの発展に繋がるアクションを打ち出すことができるようになるのです。

更に、いち利用者にもトークンを持ってもらうことで、「Amazonで買い物をしていたら、Amazonの株がもらえてしまった」という状態にもなったりします。
そうすると、「自分が使っているサービスがより良くなる貢献に対してトークンがもらえるなら、色々提案していこう。」という、お買物ポイントを超えた経済的なインセンティブが働きます。

トークンによって、運営側だけでなく、利用者を含めたコミュニティ全体として、「サービスをみんなで発展させていく」という方向づけができるようになります。
これこそ、「事業で短期的に収益をあげよ!」という力学から抜け出せない株式の仕組みを超越した、トークンエコノミーがもたらす真価だと考えます。

参考: 株式会社は、株主のためのものです。株主は短期的なメリットを求めることが多いため、今は赤字を垂れ流してでも長期的に見込みのある事業に先行投資し続ける、という動きが取りづらい仕組みになっていました。

トークンエコノミーがうまく設計できれば、これまで事業やサービスをもっとも効率的に発展させる仕組みとして君臨していた「株式会社」の存在意義が揺らぎます。
将来的には、定番の組織が「株式会社」ではなく「DAO(自律分散型組織)」に変わっていく可能性も十分あり得るでしょう。

もっとも、「会社という存在がなくなる未来」は、まだまだずっと先かもしれません。
しかし、今後の社会のあり方を考えたとき、トークンの活用は、魅力的な未来感を少し先取りした実験だと見ると、ワクワクしませんか。


※この記事は、パジ(@paji_a)の発言をベースにかねりん(@kanerinx)が編集して記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)

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