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「メタバース」の定義とは?【保存版】

今日は、「メタバースとはなにか?」について解説します。

NFTとも関連性が深く、非常に重要なキーワードですが、言葉の定義がハッキリしないままに語られることが多いです。
類似の言葉や、メタバース風のものもメタバースとして語られることもしばしば。

言葉の定義は大切です。
何が良いか悪いかとは別軸の話で、定義の認識にズレがあると話が噛み合わず壮大な誤解を生む事にもなりかねません。
本記事を、メタバースを定義する上で、参考として頂ければ幸いです。

記事の引用元

今回の記事は、シリコンバレーの投資家であるマシュー・ボール氏(@ballmatthew)が2020年1月に書かれたブログ記事を引用&意訳しながら解説していきます。
グローバル・ベンチャーキャピタリスト視点で話を展開します。

引用内容へのフィードバックは、元記事にも記載のあるように、
「メタバースは非常に難しいテーマなので、ここで書かれている定義について、ご意見、ご感想、反対意見、アイデアなどがあれば、”mb at matthewball dot vc”までメールでお寄せください」
でお願いいたします。

元記事: メタバース メタバースとは何か、それをどこで見つけるか、そして誰がそれを構築するのか。

メタバースの定義:5つの要素があること

マシュー・ボール氏のメタバースのコアになる考え方を意訳すると、ざっくり以下の5つの要素があることと定義されています。

  1. 永続的であること

  2. 同期的でライブであること

  3. 無制限に同時接続できること

  4. 経済があること

  5. 体験がまたがること

これら全てを満たして初めて、メタバースと言えるということです。
項目を1つずつ、詳しく見ていきましょう。

1. 永続的であること

「リセットや一時停止や終了がなく、無限に続くこと」。
現実世界から置き換わる新世界と考えれば、どこか1社の運営会社が倒産したら、世界が終わったりしては困ります。
現実世界と同じか、それ以上の永続性が求められるのです。
物理法則のように頑強なインフラであることが、メタバースにおける”一丁目一番地”の定義といえましょう。

2.同期的でライブであること

「メタバース上の誰もがリアルタイムに一貫した時間の中に存在する」。

現実世界と同じように、その中で暮らす人たちはリアルタイムな生活時間を共有されていること(ライブ)。
それにより、メタバース上で生活や仕事が行えるようになり、現実世界と置き換えが可能である、ということでしょう。

3.無制限に同時接続できること

「誰もがメタバースの一部となり、特定のイベントや場所、活動に同時に参加することができます」。
従来のMMORPGやメタバース風サービスのように、負荷を分散するためにパラレルワールドを作ってはならないということです。
同時に、全世界の誰もが接続出来ないといけないのです。
サーバーを超えてデータが行き来ができない設計ではなく、すべてが同じ”場所”に存在していることが要件ということでしょう。

4.経済があること

「個人や企業は、創造/所有/投資/販売でき、他人に『価値』を生み出す非常に幅広い『仕事』に対して報酬を得られる」。
現実世界と同じく、その中に暮らす人たちによって、他者への貢献によって現代社会を成り立たせている経済が生まれることを定義しています。

5.体験がまたがること

「デジタルとフィジカルの世界、プライベートとパブリックのネットワーク、オープンとクローズのプラットフォームの両方にまたがる体となる」。
あるメタバース内で使えるアバターの衣服やアイテムが、他のメタバース内でも使えるというイメージです。
相互互換性が必要である、ということです。

補足

ここで定義されているメタバースは、元記事執筆時点(2020年1月)において、「現実世界を真にメタバースに置き換える場合に必要となる要件」を書き出したものです。
筆者が定義するメタバースは、「インターネットと同様に、誰も止めることができない強固なインフラ基盤と同等に頑強なもの」を想定しているように見受けられます。
やや厳しめの(狭義の)メタバース定義と言えましょう。

メタバースでは無いものの具体例

以下は、マシュー・ボール氏の視点で、「メタバースと誤って定義されがちな事例」です。
これらは、「メタバースでは無い」ということです。

1.仮想世界

「NPCや本物の人間がリアルタイムで登場する世界やゲームなどのこと。
これらは”メタ(超越した)”な宇宙ではない。
ゲームなどのただ1つの目的のためだけに設計された架空の世界に過ぎない。」

2.仮想空間

「"セカンドライフ"のような仮想空間」

参考:セカンドライフ公式

  1. ゲーム的な目標やスキルシステムがない

  2. 持続的/仮想的なたまり場である

  3. ほぼリアルタイムにコンテンツが更新される

  4. デジタルアバターで表現された実在の人間がいる

などの特徴から、"セカンドライフ"はしばしば『メタバースの原型』とみなされます。

しかし、これらはメタバースにとって十分ではありません

※補足※
仮想空間上の世界の存亡が、ひとつの運営会社に依存していることが原因。
「定義1:永続的であること」や、多様な「定義4:経済があること」が欠けるという指摘。

3.バーチャルリアリティ(VR)

VRは、仮想世界や仮想空間を体験する”方法”に過ぎません。
臨場感があるだけでは、メタバースだという事にはならない。
目で見て歩けるからといって、そこに『繁華街』があるとは言いきれない。

※補足※
視覚的情報に加えて、メタバースの要素が必要だと言う指摘。
幅広い『仕事』に対して報酬を得られる「定義4:経済があること」なども付け加える必要がある。

4.バーチャル経済

これ自体は、既に存在している。
World of Warcraftのようなオンラインゲームでは、現実の人々が仮想の商品を現実のお金と交換したり、仮想の仕事を現実のお金と交換したりすることで、長い間経済が機能してきた事実がある。

※補足※
「定義4:経済があること」だけでは、メタバースとは言えないという指摘。

参考:World of Warcraft公式

5.その他

マシュー・ボール氏は、「バーチャル・テーマパーク」「新しいアプリストア」などに関しても、まだ「メタバース」を網羅しきれているわけではないのではないかと提起されています。

私としては、みんな同じ山を目指して登っているけど、スタート地点が違うだけなのではないかな?と感じます。

最後に

この一文を引用して締めます。

「メタバースはゲームでもハードウェアでもオンラインでもないです。『WoW』『iPhone』『Google』が”インターネット”ではないことと同じです。」

「インターネットは、プロトコル、技術、言語などの上にある、デバイスやコンテンツやコミュニケーション体験全般です。メタバースもそうでしょう。」


※この記事は、パジ(@paji_a)の発信をもとにかねりん(@kanerinx)が編集してNFT記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)

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