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NFTコレクションをどう売っていくべきか #2「価格設定戦略」

今日も、「NFTコレクションをどう売っていくべきか」について書いてきます。
前回に引き続き、その2です。
前回の記事(その1)では、NFTコレクションを展開するときに、「在庫の設定」や「売っていく頻度」はとても重要という話をしました。

今回のテーマは、「価格設定戦略」についてです。
結論から言うと、一次販売では安く売った方が良いです。
それでは解説していきます。

NFTコレクションは、見た目で評価できない

NFTコレクションの価格設定でありがちなのは、「あのコレクションのイラストのレベルであの金額で売れているなら、私のNFTイラストであれば、この金額くらいはいくだろう」と、他コレクションの「見た目」で比較して判断してしまうことです。
「なんで、あんなドット絵が?」
というやつです。

NFTコレクションは、そのデザイン性だけで価値がついているわけではありません。
その裏には必ず、ちょっとリサーチしたくらいでは見えない「ストーリー」が積み重なって、いまの価格形成=需要を作ってきています。
画像の質や内容に加え、購入者、コミュニティの熱狂度、歴史、ギミックなど複合的な要素が大切です。

極端な例を挙げれば、
Loot や Hashes のように、"文字列だけ"のNFTであっても、1個数百万円の価値がつくこともあります。

Loot:https://opensea.io/collection/lootproject 
Hashes :https://opensea.io/collection/hashes

対象のNFTにどのような付加価値が紐付いているのか知りたければ、実際にDiscordやTwitterなどの盛り上がりを見れば、ある程度見えてくると思います。

NFTコレクションを販売していくときの価格設定

どれほど著名人あっても、すごく労力をかけている作品であっても、最初の販売価格は「タダ同然(数百円)」くらいに設計したほうが、失敗しにくいです。
心配しなくても、二次流通があるので、価格はあとから市場が判断して最適化されていきます。

それでは収益が上がらないじゃないか!と考えるのは、早計です。
NFTコレクションの販売価格は、二次流通以降の価格を見ながら徐々に調整して上げていけば良いのです。
NFTは、高まる「需要」に応じた価格設計(や販売数)を自在にできるからです。
徐々に人気が高まり、仮に買いたい人が100人殺到しているような状態になれば、もちろんタダ同然で売る必要はなくなります。

需要(購入する意思がある人)人の数を可視化

低価格(数百円)で販売するとしても、購入する意思がある人を可視化することは大事です。
前回の記事で述べた、需要の見極めは常に重要。
売る側は、その数値を見ながら、適切な「価格」と「量・頻度」を調整します。
ある程度販売実績が積み重なり、平均価格やフロア価格が形成されれば、需要の大きさを見定めて適切な供給をすることが実践しやすくなるでしょう。

購入者が気にするのは「所有者数」

購入者目線で見て、OpenSea上でどのような情報が掲載されているのかを知っておくことも大切です。
まだ始まったばかりのNFTコレクションだとしても、NFT購入者にとって一番気になる数値は「オーナー数(所有者数)」です。
本当は「需要」があり欲しい人が大勢いるコレクションだとしても、購入者が0人だった場合、本当に需要がない「0」と同じに見えてしまい、ネガティブな印象を与えます。

そのリスクを回避するために、最初は「安すぎるのでは?」と思えるくらいの金額で販売し、まずは所有者数を増やすわけです。
初期に安価で販売することは、「購入したいけど高すぎて買えない」というボトルネックを解消してあげることにも繋がり、ブランド構築上はプラスに働きます。
CryptoNinja のように、購入者からのオファーに応じて売り手側で落札者を選ぶ選抜方式も、とても良いやり方だと思います。
金額の高さではなく、オーナーが自分独自の基準で落札者を選ぶことが出来ます。

CryptoNinja:https://opensea.io/collection/crypto-ninja-nft

二次流通以降、適切な価格にならされていく

NFTコレクターに対して、「今後に期待ができる初期NFTコレクションを”発掘”した」と思わせることも大切です。
作品力に対して価格が低すぎるとみなされれば、他のコレクター仲間を引き連れて来てくれるからです。
なにより”転売”によるメリットも同時に提供していてるので、双方にとってメリットがあります。

一次販売を安くしても、需要と供給によって、二次流通以降で市場が判断する適切な価格になさられていきます。
NFTは二次流通以降のロイヤリティ還元も創り手に戻ってくるように設定できるので、最初からコストを回収しようなどと慌てる必要はまったくありません。

マーケット規模が拡大傾向にある

NFTコレクションの価値は、作品のクオリティだけでなく、ストーリーなどの付加要素が大いに反映されます。
「価値」は作り手が決めれるものではなく、買い手が判断することです。
いくら作り手自身が「レベルが高い!」と思っていても、ストーリーが足りなければコレクションの価値はあがりません。
逆もまたしかりです。

現状、NFT市場は日本国内の市場全体が活況になっていることもあり、これから日を追うごとに購入候補者は増え続けるでしょう。追い風が吹いています
ですから、いまは買い手が10人だけだとしても、”何もしなくても”数カ月後には20人に倍増していることも想定できます。
ですので、需要の高まりを推測しながら、焦らずほどよく気長に販売していくのがおすすめです。

購入者によって勝手にプロモーションが行われる

本当に「需要」があるNFTコレクションであれば、最初に「タダ同然」で売り出したとしたら、どうなるでしょうか。
二次流通市場は、きっと大いに盛り上がるはずです。
購入者にとって、”転売”による利益が出ることが期待できるとなれば、どうなるでしょうか。
NFTコレクションの創り手以上に、NFTの購入者、コレクターのインフルエンスによって、勝手にプロモーションが行われます。

また、NFTでは、クリエイターが駆け出しであっても、コレクターに目ざとく発見されることがよくあります。
著名なNFTコレクターほど、感度が高いものです。
様々な繋がりの中から、日本を飛び出し海外へリーチを広げて世界を股に掛けるNFTコレクションが出てくる可能性もあります。
自身の作品を信じると同等以上に、”価値”が付随されたコミュニティの力を信じることが重要です。←テストに出ます

「一次販売でコスト回収!」などと収益化を急ぎ過ぎ&欲張りすぎて、販売数が不調に終わると、こうした後からの巻き返しの展開にたどり着けなくなり、もったいないです。

時間経過により、NFTがヴィンテージ化する

アートの世界と同じく、いまNFT化されている作品は、数年後には単に「経過年数が長い」というだけでヴィンテージとして評価が上がることもあり得ます。
人は時間を未来に向かって生きているので、「時間」だけは巻き戻せ無いからです。

2018年に生まれた CryptoCrystal というNFTコレクションがあります。

CryptoCrystal:https://opensea.io/collection/cryptocrystal

このコレクションは、いま3年を経過して、すでにヴィンテージNFTとして時間的価値が付加されつつあるります。
この現象は、今後NFTコレクションを創り上げていく人たちにとって見逃せません。

NFTコレクションとはドラマであり、祭である

NFTコレクションはクリエイター1人の力で盛り上がるものではなく、そこに関わる登場人物全体で盛り上がる、ひとつのドラマと捉えるべきです。
作品に付随するストーリーは、良質のドキュメンタリーやお祭りのようなものです
このお祭りの世界では、いち閲覧者でさえ、心に火が灯れば、SNSで拡散協力してくれる頼もしい仲間となるのです。

そういった"お祭"を一緒に楽しむ仲間が増えていけば、Twitterのトレンドにも乗りやすくなります。
そうすると、近しいジャンルでNFTコレクションに興味を持ちそうな新しいファンを、次から次へと連れてきてくれます。

この段階まで到達しているNFTコレクションは、国内ではまだ少ないですが、今後の展開が本当に楽しみです。


※この記事は、パジ(@paji_a)の発信をもとにかねりん(@kanerinx)が編集して記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)

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