RTFKTとは?―NIKEが買収した新進気鋭のNFTブランド―
今回は、「RTFKT」(アーティファクト)について軽く解説してみたいと思います。
NFTに触れていると「RTFKT」というキーワードを見かけることが少なくありません。
これは世界に熱狂的なファンがいるが一般にはあまり知られていない謎の海外ブランドなのです。
RTFKTとは一体どんなブランドなのか?
今回はそんなお話です。
RTFKTとは?
RTFKTは、2019年12月に創業した新進気鋭のNFTブランドです。
公式Twitter:@RTFKTstudios
公式サイト:https://rtfkt.com/
非常にクオリティの高いデジタル・スニーカーのNFTを制作しており、既に世界中に熱狂的なファンを獲得しています。
2021年後半の一大ムーブメントと言えましょう。
創業者は、ブノワ・パゴット氏。
ヨーロッパ出身で、高級ファッション業界、eスポーツ業界を渡り歩いてきた経歴の持ち主です。
パゴット氏が共同創業者クリス氏に出会ったきっかけは、某有名FPSゲームの運営チームでCMO(チーフマーケティングオフィサー)を務めていた時。
ゲーム内スキンを制作していたクリス氏と意気投合し、NFTのスニーカーを共同制作することになりました。
RTFKTが作る最高にクールなNFTのデザインから、
Supremeのデジタル版
デジタル時代のLVHM
等とも呼ばれ(自称し)、新しいデジタルファッションの中心的存在になっています。
日本のトップアーティスト・村上隆氏もRTFKTのプロジェクト「アバター・プロジェクト」に参画を表明し、大きな話題となりました。
※出典:公式サイト
※出典:OpenSea「CLONE X - X TAKASHI MURAKAMI」
RTFKTには150人以上のアーティストが参加しており、過去にはアーティストの Zaid Kirdseyとコラボしたバーチャルジャケット(約273万円)が完売。
同様にアーティストのFewociousと制作したバーチャルスニーカーが7分以内に完売(約3.2億円相当)と、注目を集めています。
関連記事:注目集まる「バーチャルアパレル」、RTFKTがファンドや個人投資家から資金調達
出資企業等
出資企業も強烈な面々です。
「a16z」:Crypto界隈では有名なシリコンバレーのトップVC
VaynerFund:米国の起業家ゲイリー・ヴェイナチャック氏のファンド
GFR:グリー社傘下の投資ファンド
Tetsuro Miyatake氏:Spotifyで人気の「Off Topic」を手掛ける。
Akash Nigam:3Dアバターを手掛けるGenies社のCEO
いかがでしょうか。
錚々たる面々です。
関連記事:a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)
TC Tokyo2021のハイライト
以下、TC Tokyo2021の登壇内容のハイライトです。
RTFKTがブランドを構築するにあたり、スニーカーNFTから着手したのはスマート。
物理のスニーカーも株式のような資産的な価値がついているため、NFTの価値づけという機能的側面と相性が良いことを見極めてのこと。
RTFKTが生まれるきっかけとなったeSportsのゲームでは、ユーザーはスキンやキャラを所有できなかったり、ハードが更新されるとコンテンツを新しいハードに持って行けないといった課題があった。
NFTはゲームにとって”究極の媒体”だと考えたそうです。
これまでの数多のプロジェクトの中で、パゴット氏のお気に入りは「CryptoPunks」とのコラボ。
このプロジェクトで制作した1万点のNFTはすべてデザインがユニーク。
こうした取り組みは既存のファッションブランドではできないことだからです。
マーケティングの一環で「CryptoPunks」のオーナーにスニーカーの画像を数千通DMで送付したが、1件も事前のリーク(情報漏洩)は起こらなかった。
RTFKTのNFTのうち、97%が1次流通で止まっています。
転売されていないんですね。
これは、オーナーがエアドロップなどの追加特典やサプライズが待っているからです。
RTFKTの目標は、”斬新的なものづくり”にあります。
また、新しいプロジェクトでは常に新しい取り組み、改善を行い、楽な方向に流れないようにしているらしい。
RTFKTでは無名のクリエイターも起用しており、コラボの収益は「50%:50%」で折半している点にも注目したい。
パゴット氏はARに注目しているが、爆発的な普及までにはまだあと5年くらいはかかると考えている。
ファッションブランドは何をすべきか?という問いに対しては、
「Robloxを遊んでいる息子と仲良くすること(笑)」
と答えました。
RTFKTメンバーは、昔からゲーム(現在のメタバースの元である)を遊んできたからこそ、今があるのだと。
※この記事は、パジ(@paji_a)の発信をもとにかねりん(@kanerinx)が編集してNFT記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)
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