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【広島神楽】鬼のお面と魔除け

広島県は神楽が盛んです。わたしは幼いころから馴染みがありまして。夜になると、神楽を練習している音が聞こえてきたものです。特に盛んな地域では子どもの頃から神楽の練習をしますし、高校には神楽部があったりするんですよ。神楽を舞いたくて、あの高校へ進学したい! って具合。神楽好きな人が多いです。

広島の神楽を全国に一所懸命PRしているのは、芸北の神楽(安芸高田神楽)です。2012年から東京で「ひろしま安芸高田神楽」を年始に公演をしています。わたしも見に行ってました!

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神楽は神様に奉納する舞いですが、安芸高田神楽はエンタメ要素が強く、演目途中でコントのように現代語での掛け合いでお客さんを笑わせることもあります。つまり、娯楽なのです。

神楽の演目は神話で、神様、鬼、お姫様、蛇や狐が登場します。人気の演目は悪を成敗するヒーローもの。「八岐大蛇」が最もポピュラーでしょう。

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この勧善懲悪な演目が面白く見えるには、どんなキャラクターが活き活きしているのがいいでしょうか。

モチのロン、悪役ですよね。

魅力的な悪役がいてこそヒーローが輝く。つまり、神楽の演目でも鬼や大蛇の動き、デザインが大切なわけです。泣く子がさらに泣くような説得力がないといけません(笑)実際【鬼のお面】はかなり怖いです。

この鬼のお面。芸北地方や石見地方では、家の玄関に「魔除け」として飾られています。特に【般若】のお面が多く、大きなお面の家もあれば手乗りサイズの家もあります。般若だけを飾るところもあれば、般若&男鬼のところもあります。

お面は目線より上の方に飾るのが一般的です。玄関入ると上から般若がガン見してきます。多分、この風習を知らない人が家で般若面に初対面するとギョッとするでしょう。夜にトイレに行くとき玄関を通らないといけないとなると、暗がりに激おこ般若がいます。般若に暗闇をプラスするのはヤバい。

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とは言っても小さい頃から見てると、全然気にならなくなってきます。むしろ迫力があってカッコイイと思うように… もう、魔除けって言うか神楽が好きで飾ってる。そのくらい神楽が身近なのです。

そうそう、鬼瓦も魔除けですよね。そう考えると、鬼の面を飾るのも全然不思議ではありませんね。

さて、神楽の演目に疫病退散の【鍾馗(しょうき)】というものがあります。(ちなみに玄関に飾る面の組み合わせで般若&鍾馗もある)多くの神楽団が舞っていますので、興味のある方は検索してみてくださいね。

アマビエもいいけど、神楽もいいよ。病魔退散!


(おしまい)