たのしい川べ②
たのしい川べの好きなところ
~表現のおもしろさ~
たのしい川べという本は、表現が面白いです
たくさん、想像のふくらむ、おもしろい書き方がされています
たとえば、たちまち、眠りに落ちる様子を、「まるで刈りとり機にすいこまれるオオムギのように、ねむりにおちて」いったとか書いあったりしました
面白いでしょ?
その中でも好きな表現をいくつか書いてみます
一つ目は、川を表現してるとこです
それは、モグラが初めて川をみたときのこと
そのときの川の様子をこんな風に書いてありました
「川はおいかけたり、くすくす笑ったり、ゴブリ、音をたてて、なにかをつかむかとおもえば、声高く笑ってそれを手ばなし、またすぐほかの遊び相手にとびかかっていったりしました。すると、相手のほうでも、川の手をすり抜けてにげだしておきながら、またまたつかまったりするのです。」
まるで遊んでいるかのような川の表現で、面白いです
そしてその川に惹かれたモグラは、「小さな子どもが、手に汗をにぎるようなお話をしてくれるひとのあとを追って歩くように」川岸をついてまわります
そして、そのすぐ後の文章も好きで、印象に残りました
こんな文章です
「川は、あいもかわらず、にぎやかに話しかけながら、そばを流れていきました。さて、その話というのは、川がずっと山のおくから持ってきて、これから、あのあきることを知らない海にきかせようという、世界一おもしろいお話なのです」
想像のふくらむ、素敵な表現でしょう?
海に聞かせるために長いこと旅してきた、世界一面白い話、私もそんな話なら、聞いてみたいな
でも、それは人間には聞くことのできない話なのかもしれません
なんだか、夢がありますよね
そして、二つ目
夏を例えた表現のところ
これも詩的で美しいのです
そこでは、夏を植物達の出る野外劇に例えてありました
不思議なたとえ方ですよね
植物たちを人間にたとえて一人ずつ登場しては劇に加わっていくさまを描写してあります
どんな風かというと・・・
まずトラノオがあらわれ、「ゆたかにみだれるその髪の毛を水かがみの前でふりたて」ます
その後、「やさしくもの思わしげなヤナギソウ」、「白のと紫のと、手に手をとりかわしながらあらわれ」るヒレハリソウがきます
そして「ある朝、えんりょぶかいイヌイバラが・・やさしく舞台に登って」きます
そして最後に、「ねむっている夏をそのキスで目ざめさせる王子ともいうべき花」、「こはく色のジャケツを着た、やさしく、においたかいシモツケソウ」が表れて、夏の植物たちによる野外劇が、始るんです
不思議な表現だと思いました
「やさしくもの思わしげな」とか、「えんりょぶかい」とか言って性格をつけたり、「ねむっている夏をそのキスで目ざめさせる王子」と長い言葉で表現してあったり
思わずどんな花だろうと思わずにはいられなかったです
読みながらいちいち表現が面白くて、読み返したり、じっくり想像してみたりするのが楽しいです
それにしても、夏を目覚めさせる王子のような花って一体どんな花だろう?
こんな、表現のしかたもあるんですね
最後は、表現というか、想像をかきたてる、景色を表す言葉です
川が大好きでそこから離れられないネズミ君が、見たことのない世界、生き方に心を揺さぶられ、思わずあの向こうには何があるのだろうと想像してしまうシーンで、出てくる言葉です
こんな言葉たちです
ーあのむこうには、どんな緑の海が、白い波がしらをおどらせているのでしょう!
どんな明るい日の照る海岸に、白い別荘がオリーブの森を背景に浮きあがっているのでしょう!
そして、どんなしずかな港に、りっぱな船が、あのものうげな海にちらばる、ブドウ酒や香料の出る紫色の島々にいくという船がむらがっているのでしょうー
なんだか、色鮮やかな、印象的な景色が浮かんできます
明るい日の照る海岸に、白い別荘がオリーブの森を背景に浮きあがっているのでしょう!の景色は、白と緑のコントラストがきっと美しい景色でしょうね
そして海岸だから砂浜もあるかな?
最後らへんのものうげな海ってどんなかな?
紫色の島々ってあるのだろうか
想像する事が大好きなので、この人の言葉のおもしろさにはまりそうです
読んでくれてありがとうございます(^-^)