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【有識者に聞いてみました】ロマンス詐欺から身を守るためのポイント

近年、マッチングアプリを悪用したロマンス詐欺が増加しています。ロマンス詐欺とは、恋愛や結婚目的に見せかけて、相手に接近し、関係値を利用して、金銭をだまし取る詐欺です。

Pairs(ペアーズ)は、皆様に安心安全にマッチングアプリをご利用いただけるよう、ロマンス詐欺から身を守るために抑えておきたいポイントを有識者の方々に伺いました。

数々のロマンス詐欺を研究している立場から〜 ITジャーナリスト 成蹊大学客員教授 高橋暁子氏

ITジャーナリスト 成蹊大学客員教授 高橋暁子氏
  • パターン1:スペックが高い人の写真やプロフィールを盗用
    詐欺師は、俳優やインフルエンサー、医者やジャーナリストなど、見た目やスペックの魅力が高い人の顔画像やプロフィールをよく盗用します。

  • パターン2:やり取りの場をアプリ外のSNSに誘導
    詐欺師は、やり取りの場をSNSなどアプリの外に誘導したがり、ビデオ通話などは避ける傾向があります。

下記のような方法で、相手がなりすましはなく、安全な人であるかを確認しましょう。

  • 方法1:プロフィールの写真を検索エンジンで画像検索
    相手が怪しいかもと感じたら、検索エンジンの画像検索を使って、相手のプロフィール写真を検索しましょう

  • 方法2:相手のSNSを開いて投稿コンテンツを確認
    InstagramやFacebookなどのSNSアカウントを教えてもらい、内容を確認することも、相手がなりすましでなく実在の人物かを確かめるのに有用な手段です。

  • 方法3:ビデオ通話で実際の顔をリアルタイムに確認
    必ずアプリの中でやりとりして、ビデオ通話などで実際の顔を確認しましょう。それを断られたら怪しいと思ってください。

詐欺事件の知能犯を担当した元刑事の経験から〜 一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事 森透匡氏

一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事 森透匡氏

ロマンス詐欺師の正体は…プロの犯罪組織集団
ロマンス詐欺は振り込め詐欺のような組織的な犯罪であり、プロ集団が行っています。そのため、だましのテクニックは巧みで、日々進化しています。でも、見極めるための共通のポイントがあります。

ポイント:詐欺はハプニングと共にやってくる!
詐欺師は、ハプニングを作って、ターゲットの冷静さを失わせようとしてきます。振込詐欺で子どもが親に助けを求めるように、ロマンス詐欺でもハプニングが起きます。しかも、あなたに会いに行くために…。

例えば、次のようなハプニングが考えられます。

  • 車で移動中に、交通事故に遭ってしまい、急きょ手術費用が必要になった

  • 日本に行くための荷物を送ったが、配送トラブルでお金を払わないと荷物を返してもらえない状況になった。

これらを知っておき、何かあったときは、逆に冷静に疑うことが大切です。

ネットリテラシー・SNSの安全な利用を研究する立場から〜 ネット教育アナリスト 尾花紀子氏

ネット教育アナリスト 尾花紀子氏

ネットコミュニケーションの落とし穴:やり取りを重ねるうちに、会ったこともない人への警戒心が薄れてしまう。
最初は「顔も知らない人」だった相手は、やり取りを重ねるうちに知っている人となり、警戒心が薄れていくのはネットコミュニケーションの自然な流れです。特に、異性として興味を持ってもらえたことや、自分に向けられる言葉が嬉しくて、その人が特別な存在に思えてくると、正常な判断力を失いがちです。

ポイント:お金に関わる話が出たら、いったん恋愛感情にフタをする。
「自分が友達ならどうアドバイスするか」という観点で状況を冷静に考え、違和感や不安を覚えたら運営者や信頼できる第三者に必ず相談しましょう。

ロマンス詐欺被害の救済にあたっている弁護士の立場から〜 名波法律事務所 代表弁護士 名波大樹先生

名波法律事務所 代表弁護士 名波大樹先生

詐欺被害に遭わないためには:アプリ選びが重要
出会い系サイトなどで、そもそもアプリ自体が詐欺という場合があるので、安心安全対策をしっかりしているマッチングアプリを選ぶことが大切です。

アプリ選びのポイント:安心・安全対策をしっかりしているアプリを選ぶ
アプリが健全な場合でも、悪質なユーザーがそこに入り込んでお金を騙し取られるパターンには注意が必要です。

被害確認が困難なケース:口座に入金させるケースは犯人を追う手段がないため要注意
直接口座に入金させるケースは、クレジットカードなどによる詐欺よりも犯人の情報を追える手段がないため、弁護士が介入しても被害回復が非常に困難です。なので、実際に会ったこともない人には絶対に金銭を支払ってはいけません。

詐欺に遭ったと気づいたら
万が一、お金を振り込んでしまい、被害に遭ったと気づいた場合には、
どんな理由を言われても追加支払いには応じず、追加被害を避けましょう。回収するための保証金などと称して追加でお金を払うようなことは絶対にやめて、すぐに弁護士や警察に相談してください。

心理操作(マインド・コントロール)研究者の視点から〜 立正大学心理学部 対人社会心理学科教授 西田公昭先生

立正大学心理学部 対人社会心理学科教授 西田公昭先生

被害者が抱く4つの感情
心理学の研究によると、詐欺に遭った人が持ってしまう感情には、無力感、羞恥心、現実逃避、後悔と自責の4つがあります。「お金はもう戻ってこない。騙された自分が恥ずかしいし、もうさっさと忘れてしまいたい」そんな気持ちになりがちです。でも、そんな投げやりな感情が詐欺の温床でもあります。何もしないで諦めてくれるのは、犯罪者にとても都合がいいからです。

被害を予防するために:儲け話に誘われたら即警戒する
騙されないための予防は大事です。相手から儲け話に誘われたら即警戒しましょう。

同様の被害を生まないために:通報システムに報告するなど何らかの行動を!
騙されてしまった後も大事です。同じように騙される人を出さないためにも、まずはマッチングアプリの通報システムに報告するなど、行動を起こしてみましょう。

ポイント:悪質ユーザーの排除にはあなたの行動が大切!
悪質ユーザーの排除には、 警察や弁護士、マッチングアプリ運営事業者だけでなく、あなたの行動が大切。気持ちも前向きになれるはずです。

ペアーズセーフティーセンター
ペアーズでは、安心、安全にご利用いただくためのヒントをまとめたセーフティーセンターを設置しているので、ぜひご参照ください。