映画見た

『ベンジャミン・バトンー数奇な人生ー』を見ました。手記によってベンジャミンの追憶を巡っていく物語です。ベンジャミンとは齢80で誕生し、徐々に若返っていき、赤ん坊の姿で死にゆく奇跡の子のことで、物語の主人公であります。人生とは、運命とは、恋とは、セックスとは、愛とは、チャレンジとは、時間とは、血縁とは、家族とは、性別とは、永遠とは、老いとは、若さとは、生死とは、人間とは。ヒトとして生きていくうえでの大前提的な要素にチャレンジし、見事に描写されているような作品だと感じました。

私も考えます。それはもう、これを見たら考えざるを得ません。『ロッキー』を見た後には生卵を飲み込んで体を鍛えてしまう様に、『けいおん!』を見た中学生がギターを買ってしまう様に、ダウンタウンに憧れてお笑いの道を志すように。私も”人生”という大きすぎる母集合について、それを形成するいろいろな運命たちについて考えます。しかし、青二才の僕ではまったくもって歯が立ちません。当然です。考えてはだめだから、歩き、経験し、受け入れ、時には反発し、運命を拾っていかなくては、考えるべき”人生”が形成されないから。

80歳まで、まだまだ60年もあるんだ。ゆっくりと歩いていけばいい。長いと思うか短いと思うかは、歩き切ってみないとわからないかもしれないしね。ここで息切れしている僕ごときにゴールできるかな。いや、80歳で生まれたベンジャミンだってできたんだ。きっと僕にもできるかもしれない。しかし、本当にできるのだろうか。やるかやらないかではなく、できるかできないかで判断してしまうところが本当に馬鹿だな、と自分でも思う。やってみなければわからない、わかっている。同時に、失敗しても責任を取るのは自身だということも、わかっている。どれだけの理解度における「わかっている」なのかすら自分でも見当もつかないが、”やってみなければわからない”というのは本当に怖い。知恵のある先人たちの教えすらも、時代遅れの産物だと揶揄される世の中に立ち向かっていかなければならない。

一体全体、どう”やってみれば”いいのでしょうか。それはベンジャミンが教えてくれた。「変わってもいいし、変わらなくてもいい。ルールなんて無いんだよ。人生は最高でも最悪でもいい」。最善の言葉だと、心にとどめておこう。どうにかどうにでも何とでもやってみよう。そう感じれる映画を見れて、本当に良かったです。

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