3話_少年時代➁
2話_少年時代
小学生になった、私はお調子者だった。当時、流行ったアニメのモノマネをして、友達らの笑いを取ることに夢中だった。ふざけて笑いをとる、人々の注目のまとになる、それも厭わない子供だった。
中学年にもなると、目が悪くなってきて、一番前か二番目あたりの席になることが多くなってきた。そうすると、先生の話がよく聞こえるため、授業を聴いているだけで理解が深まり、勉強が楽しくなった。
あとになって気付くのだが、当時の田舎の小学生は本当に伸び伸び育っていたと思う。都会に来て、電車の中で小学生や中学生が立ったまま教科書や参考書、予習復習している姿を目の当たりにして、「これじゃ勝てないわけだ」と痛感した。
両親は待望の子供ということで私に甘かったと思う。勉強を強いられる記憶もそんなにない(他所の家庭がどうだったか知らないが、強制的に机に向かわされることはなかった)。
小学4年のときに、歴史に興味を持つようになった。漫画の影響で、徳川家康、戦国時代から江戸時代にかけて興味を強く持つようになった。徳川将軍家15代を全て暗記していて、母親の知人とその子どもたちとの会食の場で、それを披露して、周囲に褒められ、得意げになっていた。
井の中の蛙…のような状態だったと思う。通っていた小学校にも自分よりも頭の良い子はたくさんいたと思うが、それでも自分はできる子だと信じていた。勉強もしないのに、そんなはずはないのに、自惚れていたと思う。
小学生の高学年になってくると、世の中を揺るがす、ある事件が起きた。”少年A”と呼ばれる当時14歳の少年が引き起こした事件。とてもショッキングな出来事だった。自分とそんなに変わらない世代で、、なぜ。一種の中二病だと思うが、興味が湧いた。どうして”そう”なったのか。連日報道されるテレビも新聞も目を通して、当時の学友たちと話をしては盛り上がった。
(今となっては、その行為自体は許されないものだと理解している。彼が書いた本も読んだが、全く共感できなかった。断わっておくが、その影響で当時の私が生き物の命を奪うことはなかった)
小学生の6年間は対してイベントもなかった。特に真面目だったわけでもなく、特に悪いわけでもなかった。至って平凡なごくごく普通の小学生だった。