XX話_Nao➀
彼女との出会いは16歳の時だった。
当時、インターネットの規制は今よりも緩く
出会いのハードルは低く、ティーンエージャーでも簡単に出会えた。
(今でも簡単に会えるのかもしれないが、興味はない…)
掲示板のような場所にメールアドレス付きで簡易なプロフィールを書き
投稿者が気になったら、直接コンタクトをとれるというもの。
ご存知の方にはすぐイメージがつくかもしれないが、
地方でもそれは簡単に出会えた。
ある日、何となくそのサイトを見ていると、同じ年くらいで
同じような音楽に興味がある書き込みを見かけた。
「○○(歌手名)、好きなの?」
それだけをメールで送った。
「うん、○○知ってるの?」
「わかるよ、俺も好きだから」
そうしたやり取りを交わすうちに、彼女のことが気になり始めた。
彼女とは地元が離れていて、気軽に会いに行ける距離ではなかった。
ある時、彼女が所属している部活で大会があり、
僕の地元に来ることがわかった。
「会えないかな?」そう聞いた。