![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152181664/rectangle_large_type_2_ba9c10ff95752924a376746e024e1288.jpeg?width=1200)
人生お初
少し前のことなのですが。
6月下旬、書道展覧会がありました。
私が通っている書道教室と、他のいくつかの書道教室と合同で開催された書道展覧会。
総作品数は200を超え、想定よりもかなり大規模な展覧会になりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1724761333054-cr4PjhazTG.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1724761333078-e0X3R0syAn.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1724761333232-hDkDFobFq8.jpg?width=1200)
人生で初めての展覧会への出品。
今回、私は二作品を製作したので、少し紹介させて頂きます。
まず一つ目。
タイトル:Sunlight
キャプション:BOOM BOOM SATELLITES『STAY』から着想。
![](https://assets.st-note.com/img/1724761689213-YvZQfIkTVX.jpg?width=1200)
アクリル絵の具使用
こちらは昨年の秋頃に構想を練り上げました。
作品を作るにあたり考えていたのが、書くなら一文字ということ。例えば「道」「光」「煌」など、意味や光景、風景が浮かびやすいものにしようと考えてました。
「猫」「犬」「狼」と動物なんかもいいかもと考えていた時、「蝶」が浮かぶと同時にBOOM BOOM SATELLITESの『STAY』が頭の中で流れたのです。『STAY』の歌詞にbutterflyはないのですが、澄んだ空気、そよ風の音、風になびく草木や花、そして陽光の中をひらひら舞う蝶という光景が音から見えるんですよね。
文字と音が頭の中で共鳴した瞬間は今でも覚えています。閃きではなく、「頭の中の引き出しをガサゴソ開けていたら、ちょうど探し物が見つかった」という感覚に近いです。あくまでも、自分の頭の中にインプットしてあったものを見つけて、アウトプットに繋がった。決して、天啓やお告げの類ではなかった。当たり前だけど。
そんなわけで、文字は「蝶」に決まりました。
「蝶」という形を出来るだけ崩さずに「蝶がひらひら舞っている」ように書くのが難しかった。
ちなみに、墨ではなくアクリル絵の具を使用しています。緑と青を混ぜて、一筆ごとに色を少しずつ変えています。
『STAY』の透明感、現実と幻想の狭間を色で表現したかった。2度とこの色は出せないかな。
![](https://assets.st-note.com/img/1724764600235-lAROs19wDA.jpg?width=1200)
そういえば、黄色も混ぜてたかも。
当初、「蝶」の横に草や葉っぱを水墨画で入れようと考えていました。観る人が光景を思い浮かべやすいのでは、と思ったから。水墨画で入れるかどうするか悩んでいる時、ふとある動画を思い出しました。
THE SPELLBOUND『すべてがそこにありますように。』のメイキング動画です。
2:40~のヴォーカル・小林祐介さんのコメント
「歌詞の2行目で『すべてがそこにありますように。』と歌っていて、(この曲は)何がどこにあるのかを説明する歌じゃない」
ああ、これだ!と。蝶の向こう側に何が見えるのか、観る側に委ねていい。作品を作る上で、自分が見えているものを全て表現するのではなく、あえて表現しないことで観る側(聴く側)に見えるものを委ねる。
青空かもしれないし、曇り空かもしれない。
山が見えるかもしれないし、海かもしれない。
何が見えてもいいし、逆に何も見えなくてもいい。
書道でいうところの「余白の美」。
皆さんは何が見えるのでしょう。
※小林さんのコメント、初めて観た時から心に引っかかっていたけど、まさか自分の作品に繋がるとは思ってなかった。小林さんに感謝!!
では、二つ目。
タイトル:Paint It ♡
キャプション:The Birthday『愛でぬりつぶせ』より。昨年逝去したチバユウスケ氏を偲んで。
![](https://assets.st-note.com/img/1724765400812-McqucpXwij.jpg?width=1200)
墨は開明「煌紅墨汁」
この作品は、当初全然書くつもりはなく、「蝶」だけ出品する予定でした。
昨年のチバの訃報、今年初めの能登半島地震と立て続けに悲しく痛ましい出来事が起きたのが書くきっかけでした。
もしチバが存命であったら、能登半島地震の後に歌うのは『愛でぬりつぶせ』なのではないか。いや、歌って欲しかった。そんな自分勝手な願いで書いた、ただのエゴの塊のような作品なのです。
「愛でぬりつぶせ」というフレーズを♡型におさまるようにと、何度も書いて試行錯誤の繰り返し。本当に苦しかった。色んな意味で。
![](https://assets.st-note.com/img/1724765938685-I9vPRXJOHP.jpg?width=1200)
「り」がどっか行っちゃってるww
こちらも当初、アクリル絵の具を使用して書いていましたが、アクリル絵の具は墨よりも粘度があるので、書きづらくて結局アクリル絵の具は諦めて、開明「煌紅墨汁」を使用しました。もっと真っ赤な文字で書きたかったけど、アクリル絵の具は私には手に負えなかった…。締切ギリギリに書き上げて、なんとか間に合ってよかった。
紙、筆、墨、パネルや掛け軸を自分で一から全て選んで、自分のアイデアで書き上げる行程は大変だったけど、すごく楽しかった。
しばらく展覧会はない予定ですが、また機会があったら書きたいな。
最後まで読んで頂きありがとうございます。