人間というもの:政治への関心

年齢を重ねていくと不思議なことに「政治」に関心を示すようになる。物申したくなるのだ。

居酒屋で政治について口角泡を飛ばしながら批判しているおじさんの姿を見かける。
繁殖相手の獲得が終わると生存への欲求が強くなり同時に不安も増す。

政治への見方は船に例えるとわかりやすい。どの船に乗るかで行き先が変わる。生存に関わることなのだ。ある意味賭けでもある。

「この船で大丈夫なのか」
「行き先は間違っていないか」
そういった不安が言葉に出る。

また、男は他人に身を任せることが苦手だ。女のまな板の上の鯉になれる心理とは違って男は足掻くのである。その心理は政治への関心を生む。何とかしたいのだ。

政治批判と誹謗中傷は似て非なるものである。
政治批判は「本当に大丈夫か」といった不安や不満を口に出すが、誹謗中傷は「憂さ晴らし」である。
気に入らない相手を攻撃することも含めた憂さ晴らしであり、政治について関心は全くなく有害でしかない。

年齢を重ねると政治への関心が高まることがわかっているなら、それまでに知識を増やしておくべきだ。
〇〇主義などの思想や右派や左派についても定義くらいは知っておきたい。

正義ではなく組織のために発言する人もいる。
正義のために発言する人は滅多にいない。組織の賛同を得られないからだろう。
国民のためじゃなく思想を押し付けようとする人もいる。主導権を握りたいのだ。

「彼らがそうすることによって得るメリットとは何か」という視点から考えを進める習慣も大切だと思う。

「〇〇党は嫌いだ!」と好き嫌いではなく、「何をしようとしているのか」をしっかりと把握していく癖をつけないと、思っていたのとは全く違う船に乗り、とんでもない所へ連れて行かれることになる。

日頃、何の勉強していないのに選挙の時だけ投票をお願いする人の話を聞いてはならないことを肝に銘じておく。

個人や組織ではなく、国民に全般に利する政治が理想的だが、見抜くためには学ぶことを惜しんではならない。

そのためには好き嫌いを捨てて「ネズミを取ってくれるなら猫は白でも黒でも構わない」と言った大国の大将の言葉も受け入れようと思う。