敵を知り人間を知って人間研究
「敵を知り己をしらば百戦してあやうからず」
「百戦百勝は善の善なる者に非ず」
孫子の兵法で有名な言葉である。
現代で戦う相手は、人間であり自分自身だと思う。
戦うといっても争いごとをしたいわけではない。
だから、戦いに勝つことが最善ではなく、戦わずして勝つことを求められるのだ。
ぼくは人間研究を通して、人間とは何か、人間関係を
どう理解すればいいのかを知りたいと思っている。
それは、心理学で解決できるとは思えない。
人間の心理は、心理的な傾向で理解できるが、蓋然的なものである。そこから少しでも外れた場合は、役に立たないことが多くある。蓋然性に適応することを要求されているわけだ。
哲学は、人間を変えることは出来ないが、「変える方法を考える」ことが出来る。
ぼくの考える人間研究は、事実や知恵から自分がどう振る舞うべきなのかを提示できるものが、よいのではないかと思っている。
人間の生きるには、「後悔」がつきまとう。「後悔」とは、判断の失敗でもある。
その「後悔」の理由を考えてみると、能力が劣っているだとか優れているだとかは関係なく、「それを知っていたか」どうかである。
だから、
「あの時これを知っていたら、人生が変わっていたのに〰︎」
「今の自分があの時に戻ったら、あんなヘマはしないのに〰︎」
と言うのだ。知っていれば「失敗」しなかったのだ。
ぼくは多くの人から学ばされている。成功も失敗もだ。そこから生まれた知恵は、他の人にも通用する普遍的なものである。
心理学的傾向にある本能的なものは、知識や知恵に裏打ちされた理性によって克服できるはずだ。それを克服する方法や研究はほとんど行われていない。
難しいことは誰がやっても難しいので、もう少しやってみようと思う。