人間というもの: 正常について

私はこれまでにも何度か正常について記事にしたが、それで終わりというわけではなく、それ以降も何度も考えさせられる課題でもある。

老化というと正常な老化と異常な老化があると医学では教える。
正常の異常と異常の正常という言い方もある。この場合の正常とは「当たり前」という意味で使われる。

年齢によって現れるシミやシワは正常な老化であるが、高血圧、高血糖、動脈硬化などは異常な老化である。

そして、その異常な老化から生じる症状は、異常な状態から生じる正常なことでもある。
正常であればそういった異常な症状が現れることは当たり前なのだ。

脳の機能は刺激が影響となることが正常であり、その反応が過敏、あるいは無反応であれば異常でもある。

また、生存を有利にするために変化を上書きしていくことも脳の機能として正常である。
認知症のように、異常が生じると上書き出来なくなるが、それは異常の正常な状態でもある。

では、正常を保つためにどうすればいいかを考えなくてはならない。

正常であれば効果を表すが、異常であれば効果を表さないものを選択する必要がある。

健康に関して言えば、病気になることが異常ではなく、病気が治らないことが異常なのだ。

それなら、常に治る身体を維持しようと努力することが肝要であることに気づく。

「病気が怖い、怖い」と怯えることは健康から考えると異常だということがわかる。

当たり前のことを当たり前にやることは正常であり、当たり前のことができないとしたら異常だと考えて差し支えないのだはないだろうか。

「当たり前って何?」と問うのは正常ではない。それを考えるのは私の課題ではなく問う者の課題である。