油絵を描いてみる
ぼくは仕事柄、患者さんにいろんなことを言う立場にあります。
「趣味を持ちましょう」
そんな月並みなことも言います。ある時、そんなセリフを患者さんに言ったところ、
「趣味は仕事が現役の時じゃないと出来ないよ」
と、逆に言われてしまいました。
「そんなに難しいですか?」
「そやで!何のためにそんなんするん?とこう思ってしまうわ」
「色々やりたいことあるでしょ?」
「それは現役の時だけや、やるなら今やで、やってみて」
こう言われ、「そんなもんかな」と軽く考えていたのですが、いざ何か始めるとなると、まー自分に言い訳するわ何やらで、なかなか始めません。
そんなぼくなのに、患者さんには、
「趣味は子供の時に好きやったことをすればいいんですよ」
と当たり前のように言っていたことを思い出しました。
そこでやっと見つけたのが絵を描くことでした。とは言っても、描き方も知らないし、上手かった記憶もないのです。成功体験がないのです。
なんやかやで油絵を描いてみました。油絵を選んだ理由は、「絵はどんなん描いてるの?」と尋ねられた時、「油絵」って答えると、格好いいイメージとの思い込みという不純な動機でした。
油絵を描くまでにはデッサンをやりました。
初めて描いた油絵がこれです。
高島野十郎さんの絵を模写しました。
りんごが描けなくて、何とかならないかと思って選んだのが野十郎さんの作品でした。これがまともに描けなかったらもう辞めだと思いながら描きました。
前後感は今一つですが、りんごをカドミウムレッドで彩色することを学びました。
額に入れたら良く見えるらしいと聞いたので、画材屋さんに行って頼みました。支払う時の請求額にびっくりしました。
こ、こんなに高いの!?仕方ないねー
絵の方は、その後もさっぱりでして、なかなか上達せずに今にいたりますが、続けようとは思っています。
趣味が見つかって良かったという話でした。