～汚す～創作の系譜18

おれはこれ以上汚れたくないし、傷付きたくない。

だから潔癖症で臆病だ。

自己防衛の為に特殊メイクで汚して見せて穢れた者になろうとしていた。

（勿論、本当のおれも相当汚れているんだが……）

しかし、大袈裟なそれは大切な友達をも不快にさせてしまっていた。

これはいけない。

だけれど、汚れたり傷付いて見せる事は鎧であり迷彩なのだ。

だから薄汚れたファッションを身にまとっていて、

むさ苦しい髪型をしていると落ち着く。

（短く刈ってハードワックスで逆立てた髪型は女ウケするので良くなかった）

だから、やっぱりファイトクラブやスナッチのブラピのコスプレなのだ。

もしくはグランジなのだ。

ビンテージなのだ。

今は奇抜に前髪をアシンメトリーに切って、

ベタっとワックスで不潔な感じに撫でつけていると非常に気分が高まる。

ピアスは寝る時も外さない。

ブーツやスニーカーも臭いの手入れ以外はしない。

白いシャツはシワシワで汚らしく着る。

母親に「こういうのを着なさい」と言われたり、

好きだった女が「こういうの好きです」って言われて買った、

ボーダーカットソー何て、もう一生着ないだろう。

くそったれ。ポップコーンみたいな服。

好きだった女が「あずみさんはヒゲが無い方が素敵です」何て言われたが、

今では無駄ヒゲ以外はボーボーに生やしてて、

レザーウェアとシルバーアクセに非常にマッチしていて気分が上がるし、

ニットキャップとの相性も意外にいい。

おれは36歳だが29歳まで性別を間違われた屈辱がある。

今の汚らしい髪を伸ばしてる最中の少しベリーショート気味の時には

”女性的”と言われへこんだ。

おれの顔は、まあ、悪い意味で可愛らしいんだと思う。

ナメられるガキっぽさだ。

もっとムサく男臭くなりたい。

自分に鎧を縫い付けたい。

胸毛とか少し生えてきたらとかも思う。

顔の造形的に金髪やアッシュ系の色にすると、

女寄りな感じになるので色はいじらない。

風呂に入らないと精神がへこむので入るが、

セットは不潔ったらしく。

折角、血を吐く程に体調を崩し激ヤセしたんだから、

もっと、いっそガリガリに痩せて、

頬がコケてヒゲがより似合う感じになりたい。

オダギリジョーみたく。

熊とか虎とか柴犬の赤ちゃんみたいな、クソったれルックスとはおさらばしたい。

（本当に切実に）

アーミーコートやダブルのライダースを着ていても可愛いとか言われず、

やばそうなオヤジに（チョイ悪どころじゃなく）見られる程に。

こないだダサイ衣料量販店で買った日焼けしたボロボロのパチもののコンバースもどきが最近のお気に入り。

ヒョウ柄の怪しいブルゾンが最近のお気に入り。

マブダチから貰ったオーバーサイズのボロいリーバイス501が抜群にマッチする。

それにＶネックのシンプルな黒のカットソーに、

赤い淵のサングラスを合わせると、

怪しさ爆発であり、

凄く、このコーデは気に入っている。

物凄く闇の世界の住人って感じで、

薄汚くてヤバそうで最高に気分が高まる。

・・・・

まぁ、ファッションの事とかになっちゃったけれど、

表現者でもありエンターテイナーは、それだけで夢や面白いものを売っている。

自分の内なる世界を暴き晒し、内面を暴露しているのだから、

心がおかしくなる事だってある。

そんな奴が36歳ヅラ下げて結婚とか考えてたのに、失恋でもしてみろ？

途端にメシが食えなくなったりするストレスに見舞われるし、

そんな時に変なトラブルが起きたりする。

面白いものを発表して楽しまれる表現者（エンターテイナー）が、

ＳＮＳなどの発信で人を不快にさせていては、

本当のエンターテイナーの心を忘れていると言える。

本当にへこんだ時はワードで思った事をひたすら書いて留めておいた方が良いようだ。

くれぐれもＳＮＳでリアルタイムで発言する事は控えた方が良いらしいから。