#3 インストアプロモーションとは?基本概念から手法・成功のポイントをご紹介
みなさんこんにちは!パルディア情報局です!
セールスプロモーションに関連する情報をみなさんにお届けする株式会社パルディア公式noteですが、今回は「インストアプロモーション」について解説していきます!
小売業にとって顧客にいかに商品を買ってもらうかということが一番の課題だと思います。
近年、再度注目を集めている「インストアプロモーション」について、基本的な概念や手法についてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
1.インストアプロモーションとは
まずは「インストアプロモーション」とはどのようなものか説明します!
インストアプロモーションとは店頭で行う販売促進活動のことです。売り場で消費者に向けて行われるセールスプロモーションであり、売上アップのために店頭で行われる販促活動全般のことを指します。
セールスプロモーションのなかでも、来店を促すために実施される販促活動である「アウトストアプロモーション」との違いは簡単にまとめると下記のとおりです。
コロナ禍に比べて小売店への来店者数が回復傾向にあることから、セールスプロモーションにおいてアウトストアプロモーションよりインストアプロモーションの重要性が増しています。
今後は、インストアプロモーションを実施し、店頭での顧客体験を魅力的なものにすることで消費者の購買活動の活発化に期待ができると言えるでしょう。インストアプロモーションの必要性については後ほど詳しく説明しますね!
2.インストアマーチャンダイジングとの違い
インストアプロモーションについて詳しくご紹介する前に、インストアマーチャンダイジングとの違いについて理解しましょう。インストアプロモーションはインストアマーチャンダイジングの施策の一つでもあります。
言葉が似ているため少しややこしい部分ですが、下記の図から理解していただければと思います!
インストアマーチャンダイジングとは売れる仕組みをつくる活動であるマーチャンダイジングを店舗内で実現するための手段のことで、「インストアプロモーション」と「スペースマネジメント」の2つの要素で構成されています。
インストアマーチャンダイジングについて…と詳しく解説したいところですが、ここでご説明すると長くなるため、詳細が気になる方はこちらの記事をご確認ください!
3.インストアプロモーションの必要性
話をインストアプロモーションに戻しましょう。
ではなぜ、今回インストアプロモーションについてご紹介するのか?
インストアプロモーションの必要性を説明します!
■顧客体験価値が重要視されている
インターネットの普及によりECサイトなどWEB上で簡単に安く商品を購入できるようになっていますが、消費者はその安さや利便性だけで購入を決めるわけではないんです!
消費者の購買意思決定には「購買体験」という一連の体験が大きく関与しているのです。
実際の店頭では、商品を「見て」→「触って」→「試す」という実店舗でなければ体験することのできない価値を提供することができます。より商品の価値を訴求できる手法としてインストアプロモーションが注目されているのです!
また、デジタルでは得られないポジティブな体験を提供できれば、消費者の記憶に残りファン化にもつながるでしょう。リピート顧客が増えることでLTVの向上にもつながりますよね!
■「衝動買い」「ついで買い」を促すことができる
この記事を読んでいただいている方の中で、実店舗に行った際に買う予定のなかった商品をついつい購入してしまったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特定の商品を買うつもりで来店している消費者は宣伝に興味を持ちやすい状態にあり、魅力的な商品やお得な商品があると一緒に購入するという傾向があります。
実際に株式会社MADSが実施した「ドラックストアを中心とした消費者の購買心理」に関する調査によると、約7割の方が衝動買いをしたことがあると回答しております。
実店舗での衝動買いにはメーカーにとっても、
商品の認知拡大
トライアル促進
他社商品から自社商品へ切り替えてもらえる(=ブランドスイッチ)
のようなメリットがございます。
ECサイトとは異なり店頭での買い物は消費者にとって新しい情報を目にする機会が多くあります。
店頭で購買意欲を刺激することができれば、予定外の購入を促すことができるでしょう!
4.インストアプロモーションの主な手法
インストアプロモーションの必要性が分かったところで、手法についてもご紹介します!
「価格主導型」と「非価格主導型」に分類することができ、ふたつの違いは下記のとおりです。
価格主導型:商品の価格を変動させてお得感を出す販促手法
非価格主導型:価格以外の方法で商品の魅力を宣伝する販促手法
■価格主導型
店舗内で消費者に対して行うプロモーションのうち、価格を操作することにより商品をプロモーションする手法です。一時的な売上増加効果を短期間で得られる一方、内的参照価格の低下など長期的なデメリットも内包します。価格主導型の手法には下記のようなものが挙げられます。
値引き・特売
期間内において定番価格から価格を下げることで消費者に割安感を与える手法をHi-Lo(High-Low Price)戦略と言い、小売業が抜本的な経営改革を行い徹底した低価格を維持する手法をEDLP(Every Day Low Price)戦略と言います。また、収益を度外視した低価格商品をフックに来店を促進しその他商品の購買を誘発する手法がロスリーダー戦略です。
バンドル販売
商品をまとめて購入した場合に通常より価格を引き下げて販売する手法がバンドル販売です。複数購入を促すことができる一方で単純なバンドル販売は需要の先食いを引き起こす要因となります。
増量パック
売価をそのままに容量を増やし販売する手法が増量パックです。容量1単位当たりの単価を下げる手法であるため価格主導型に分類されます。基本的にメーカー主導で行う施策です。
■非価格主導型
店舗内で消費者に対して行うプロモーションの内、商品の効用を高めることに重点を置いたプロモーション手法です。価格を操作しないため成功すれば利益率が高くなる点やブランドイメージ向上も狙える点が大きなメリットです。非価格主導型の手法についても見てみましょう。
特別陳列
対象商品を定番棚以外に陳列することで購買を促進する手法が特別陳列です。エンド陳列やアイランド陳列など複数の種類があります。実施の際は演出の要素が重要となり、テーマやコンセプトの設定、POPなどの販促ツールの活用が施策の成否を左右します。
POP
小売店で最も使われている販促ツールの一つで、割引やお得情報以外にも消費者に有益な情報を提供することができ、「ついで買い」を促せます。スイングPOPやレールPOP、かごPOPなど様々な形態があります。ターゲットユーザーの購買心理を考慮したデザインの制作、リテール視点でのツールの設置場所・店舗の設置担当者に配慮した素材・形状を考えることが重要となります。
デジタルサイネージ
店頭に設置したディスプレイで宣伝動画や画像を流すもので、POPやポスターなどに比べて動画は視覚的に強く訴求することができ、短時間で多くの情報を伝達することができます。ポスターや看板のようなアナログツールのように取り替える必要がなく、一度機器を導入してしまえば流す内容を変えるのみで運用ができます。
プレゼントキャンペーン
応募者に対して抽選の上で景品を提供する手法がプレゼントキャンペーンです。景品の魅力度によっては大きな購買促進効果を期待できます。店頭で実施されるプレゼントキャンペーンは対象商品の購入をキャンペーンへの参加条件にしたクローズドキャンペーンが一般的です。
デモンストレーション / 実演販売
店頭において実際に商品を使って見せることで商品の魅力を実体験してもらう手法がデモンストレーション販売です。パッケージ越しでは魅力が伝わりにくい商品の機能・性能・使い心地などを消費者に対して直接訴えかけることができます。
サンプリング
試供品(=サンプル品)を配布する実演販売の一種です。実際に使用してみないと価値が伝わりにくい商品やサービスに効果的で、化粧品などでよく見かけるでしょう。消費者は購入前に商品を試すことができるため、納得した購入に結びつきやすいです。
5.インストアプロモーションを成功に導くポイント
インストアプロモーションには様々な種類がありましたね!
では最後にインストアプロモーションを成功させるためのポイントをご紹介します!
■ターゲット顧客や店舗のニーズを明確にする
同じチェーン店であっても地域によって顧客や売れ筋商品は異なります。また、インストアプロモーションの手法には上記したように様々な種類があるため、顧客の属性やライフスタイル、行動を分析して選択することが重要です!
例えば、主婦層が多く来店するスーパーマーケットでは季節ごとのレシピ動画をデジタルサイネージで配信したり、郊外の店舗でファミリー層がターゲットの場合は増量パックを訴求するなど、ターゲットとする顧客と施策の相性を考えて手法を選ぶようにしましょう!
■データを有効活用して施策の立案・改善をする
顧客データや売上データなどを分析し施策の改善を続けることで効果的にプロモーションを行うことができます。下記のような複数の指標で数値を計測しましょう。
顧客の属性(性別 / 年齢など)
店頭での行動パターン
来店回数
来店客数
来店頻度
購入商品
購入点数
購入単価
など
プロモーションは一度のみ実施するものではなく、PDCAを繰り返し行うことで顧客に刺さるプロモーションが効率的に見つかるようになります。
取得したデータから顧客のニーズを把握することができれば、店頭プロモーションだけでなく、ECサイトやSNS等のオンラインでのマーケティングにも活かすことができるでしょう。
まとめ
セールスプロモーションに関連する情報をみなさんにお届けする株式会社パルディア公式note、今回は「インストアプロモーション」についての解説でした!ネットショッピングのような便利に買い物ができる手段が増えておりますが、商品を実際に手に取って体験できる店頭での買い物も重要視されております。売上アップはもちろん、消費者が買い物をより楽しんでもらえるような売り場を作るためにもインストアプロモーションを戦略的に活用していきましょう!
今後も皆様のお役に立てるような情報をご提供しますので、お楽しみに!