SAP FIの試験対策を読む


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1-1. 会社コード、組織ユニット

1-2. 新総勘定元帳

1-3. 会計年度バリアント

1-4. 通貨、換算レート


2-1. G/L勘定(総勘定元帳勘定)

SAPにおける「勘定コード」は多義的

SAPでは「勘定コード」という言葉が至るところで登場するが、その意味合いは一つではない。「勘定コード」と呼ばれるものは複数種類あり、それぞれ役割や意味合いが異なる。そのため、今どの勘定コードの話をしているかを切り分けて会話しなければならない。また、データベースにおいても似たような項目があるため、DBのどの項目がSAP画面上の項目と連動しているかを把握すること。
たとえば、G/L勘定コードと統制勘定コード(別の章で解説する)は、似ているが別物の勘定コードである。

例えば、BSEGのSAKNR/HKONT。
どちらのフィールドにも勘定コードが格納されるが、
・HKONT:会計伝票明細上で指定した勘定コード。空白になることはない。
・SAKNR:SKB1(勘定コードマスタ:会社レベル)において勘定コードに対して指定された統制勘定の勘定コード
が格納される。統制勘定が指定されていない場合は空白になる。

SAPにおける勘定科目マスタ

SAPでは勘定コードマスタが2階層に分かれている

・SKA1(G/L勘定マスタ:勘定コード表レベル):勘定コード表ごとに設定する項目。当該勘定科目に対する、BS勘定フラグ、PL勘定タイプ、など
・SKB1(G/L勘定マスタ:会社コードレベル):会社コードごとに設定する項目。当該勘定科目に対する、勘定通貨、統制勘定、税カテゴリ、項目ステータスグループ、など

まずSKA1を登録して会社コードに割り当てるため、勘定コード表:会社コード=1:Nとなる
なお、ひとつの勘定コードに対して各言語の勘定科目名称を設定できる(SKAT)ため、勘定コード:勘定科目名称=1:Nとなる

SAPのマスタは一般的に、関連する複数マスタで構成されるので、勘定科目マスタも複数マスタから成る

2-2. G/L勘定グループ、項目ステータス

SAPにおける「勘定グループ」は多義的

この「勘定グループ」という言葉もSAP厄介ワードのひとつと感じている。財務会計ではこの「勘定グループ」というワードがいくつか出てくるが、その役割やニュアンスが微妙に違う。
本ページでは、まず【G/L勘定の】勘定グループについて解説する。

T077S(G/L勘定グループ)は、勘定コード表ごとに指定するもので、会計上というよりはシステム上の理由で、以下の役割を果たしている
①G/L勘定コードのグループ(例:現金勘定、資産勘定、債務勘定)ごとに、番号の範囲を制限している
②SKB1に設定することで、勘定コードマスタ登録画面(Tr:FS00)において、会社コードレベルの項目ステータス(入力欄の表示/非表示/必須入力/任意入力)を制御している

2-3. 統制勘定

2-4. セグメント、利益センタ、原価センタ

2-5,6. 仕入先、得意先


3-1. 伝票タイプ

SAPでは、ほぼすべてのトランザクションデータを「伝票」という形で管理している。
例:
・購買伝票:仕入先に注文したときに登録する伝票
・販売伝票(受注伝票):得意先からの発注を受けたときに登録する伝票
財務会計で登録される伝票は、会計伝票もしくはFI伝票と呼ぶ。

伝票はヘッダと明細で構成され、SAPでは、ヘッダ用テーブルと明細用テーブルが分かれている。
例:
BKPF/BSEG
VBAK/VBAP
LIKP/LIPS
VBRK/VBRP

伝票タイプと転記キーは財務会計の基礎中の基礎である。しかしながらネーミングセンスが悪すぎるせいでとっつきにくく、拒絶反応を起こしたくなる。

・伝票タイプ:伝票ヘッダの情報を管理/制御している
 例:転記できる勘定タイプ、伝票番号の番号範囲、伝票ヘッダ項目の必須入力、など
・転記キー:伝票明細を管理/制御している
 例:転記できる勘定タイプ、借方/貸方どちらに転記するのか、など


3-3. 会計伝票-伝票ヘッダ・明細まとめ


3-6. 会計伝票の照会

・R/3(ECC)6.0:BKPF(会計伝票ヘッダ)とBSEG(会計伝票明細)から構成される。
・S/4:ACDOCA(ユニバーサルジャーナル)に統合される。BKPFとBSEGを結合する必要がなくなる。

BSEG(会計伝票明細)

・BUKRS(会社コード):複合主キー
・BELNR(伝票番号):複合主キー
・GJAHR(会計年度):複合主キー
・BUZEI(明細番号):複合主キー
・SHKZG(貸借区分):S:借方、H:貸方
・WRBTR(取引金額):USD建ての取引であれば、USDの金額が入る。
・DMBTR(国内通貨額):会社コード通貨に換算した金額(絶対値)。計算に注意(H:貸方に対してはマイナスをかけること)。また、通貨がJPYの場合、1/100でデータを保持しているため、×100に読み替えること。
・SKNAR(取引先コード?)
・HKONT(G/L勘定コード?)



11-1. 特殊仕訳取引

https://free-sap-consultant.com/news/2022/06/06/16214/

通常、
・得意先に対する販売仕訳では売掛金を使うが、「特殊仕訳コード」を設定することで、前受金、受取手形、電子記録債権などを使うことができる。
・仕入先に対する購買仕訳では買掛金を使うが、「特殊仕訳コード」を設定することで、前払金=前渡金、支払手形、電子記録債務などを使うことができる。

通常の販売(売掛金
・受注時(伝票なし)
・出荷時(出荷伝票): 売上原価/商品 ※売上原価対立法
・請求時(請求伝票): 売掛金(得意先)/売上
・入金時(伝票なし): 預金/売掛金(得意先)

前受金を受領する販売(手付金や頭金や前払いを求める場合)
前受金を請求した時(伝票なし): F:前受金請求(得意先)/― ※備忘明細(メモ用途なので相手勘定なしの片側仕訳)
・受注時(伝票なし)
前受金受領時(伝票なし): 預金/A:前受金(得意先)
・出荷時(出荷伝票): 売上原価/商品 ※売上原価対立法
・請求時(請求伝票): 売掛金/売上
前受金消込時(伝票なし): A:前受金(得意先)/売掛金
・残高入金時(伝票なし): 預金/売掛金

通常の購買(買掛金
・発注時(発注伝票)
・入荷時(入荷伝票): 商品/入庫請求仮勘定
・請求書照合時(伝票なし): 入庫請求仮勘定/買掛金(仕入先)
・支払時(伝票なし): 買掛金(仕入先)/預金

前払金を支払う販売
前払金を請求された時: ―/F:前払金請求(仕入先) ※備忘明細
・発注時(発注伝票)
前払金支払時: A:前払金(仕入先)/預金
・入荷時(入荷伝票): 商品/入庫請求仮勘定
・請求書照合時(伝票なし): 入庫請求仮勘定/買掛金(仕入先)
前払金消込時(伝票なし): 買掛金/A:前払金(仕入先)
・支払時(伝票なし): 買掛金/預金

特殊仕訳コード
・空白:売掛金による売上計上時/買掛金による仕入計上時
・W:受取手形による支払時/支払手形による支払時
・F:前受金を請求する時/前払金を請求された時
・A:前受金の受領時/前払金の支払時

特殊仕訳取引タイプ?

他の参考サイト

ITビジネスライフ診断書

SAP FI 概要の教科書

GLでは勘定科目単位での管理を行うため売掛金勘定残高は、複数の得意先との取引の合計額で表されます。それぞれの得意先との取引はFI-AR(売掛金管理)で管理します。得意先ごと、仕入先ごと、固定資産ごとの管理を補助元帳側で行いたい勘定科目を「統制勘定」と言います。

得意先に対して売上を計上する際に、SAPでは、売上/得意先と仕訳を入力します。得意先の得意先マスタで統制勘定に「売掛金」を設定しておくと、総勘定元帳では売掛金勘定に転記が行われる仕組みです。

一般的な統制勘定は、売掛金、買掛金、未収入金、未払金です。これらの勘定科目について勘定コードマスタで統制勘定の設定をおこなうと、統制勘定を使った仕訳入力(売上/売掛金)は出来なくなります。このようにして補助元帳と総勘定元帳データの整合性は担保されます。

仕入先管理、仕入債務管理

得意先管理、売上債権管理

固定資産管理

各モジュールに「組織」と呼ばれる項目があります。FIモジュールの組織は「会社コード」「セグメント」「会社(連結会社)」です。
また、従来「事業領域」はFIの組織として使われてきましたが、S/4で廃止(項目としてはあるが、今後の開発は止める)されました。

会社コードは、SAPを導入する法人ごとに定義します。
FI系のテーブルのキー項目になっていて、「どの会社で発生した会計仕訳か」を識別します。

セグメントは、財務諸表における「開示セグメント」を意識した項目として、NewGL機能の提供と同時に登場した組織です。NewGLが提供される前の古いバージョンのSAPシステムには存在しません。
セグメント(家電事業)は利益センタ(白物家電、デジタル家電、など)から誘導され、また利益センタは原価センタから誘導されます。


日付

会計伝票には、様々な日付情報が存在します。
・転記日付:会計上の日付。この日付の「会計期間」がオープンされていないと伝票の登録ができません。例えば2020年の10月の会計期間がオープンされていない場合、転記日付「2020/10/01」での伝票登録は不可です。転記日付を間違えて登録してしまった場合、SAPは伝票削除ができませんので「反対仕訳」を登録する必要があります。
・伝票日付:SAP導入先により任意の使い方が可能な日付。
・登録日付:システム上の日付。
・伝票の最終更新日付
・換算日付

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