アサーションについて

財務諸表アサーションが"PERCV"の5個だったのは、昔(2007年7月よりも前)のことだった?

現在は、4+5+4で13個?になっている

【assertions about account balances at the period end】期末勘定残高についてのアサーション
1, existence 実在性
2, rights and obligation 権利と義務
3, completeness 網羅性
4, valuation and allocation 評価と配賦

【assertions about classes of transactions and events for the period under audit】期中取引についてのアサーション
1, occurrence 発生
2, completeness 網羅性
3, accuracy 正確性
4, cutoff 期間帰属
5, classification 分類

【assertions about presentation and disclosure】表示と開示についてのアサーション
1, occurrence and rights and obligations 発生および権利と義務
2, completeness 網羅性
3, classification and understandability 分類と明確性
4, accuracy and valuation 正確性と評価

↑はA社USCPAテキストでもそうなっていた
・勘定残高(BS)に関するアサーション
・取引(PL)に関するアサーション
が分けられている

よく、「アサーションとは何か?」という問いに「経営者の主張」という訳が当てられていますが
「何処の部分に対する、経営者の主張なのか?」というのを外すと、アサーションの問題は分けが分からなくなります。
というのも、見方によって色々なアサーションが当てはまるからです。
そもそも、経営者は何をもって主張しているのでしょうか?
取引の行為ですか?
ちがいますよね、経営者は自分の作ったF/Sをもって会社の数字を主張しているのです。
つまり、私たちがアサーションを考えるときのターゲットはF/Sがどう影響するのか?です。
F/Sに表示されている売掛金は、本当に全部存在するのか?
資産勘定は、全部の資産を含んでいるのか?
常に、疑うのはF/Sです。

伝票の計上が漏れているかも→F/Sの売上がすべてを反映していないかも?
ではなく
F/Sの売上はすべてを含んでいるのか?→含んでいないとしたら、伝票の計上漏れが考えられる。
こういう考え方の流れです。

しかし、PCAOBのASでは、以下の5個("PERCV")になっている

・Existence or Occurrence 実在性または発生
・Completeness 網羅性
・Valuation or Allocation 評価および配分
・Rights and Obligations 権利と義務
・Presentation and Disclosure 表示と開示

監基報315に和訳されてるAU-C 315では、計12個のアサーションが挙げられている

ちなみに、日本でよく挙げられるのは以下の6個

・実在性: 資産/負債/収益/費用の実在性
・網羅性: 資産/負債/収益/費用の網羅性
・評価の妥当性: 資産/負債の計上額が過大過小ではない
・期間配分の妥当性: 収益/費用の計上額が過大過小ではない
・権利と義務: 会社に所属している
・表示の妥当性: 勘定科目が正しい

「評価の妥当性」と「期間配分の妥当性」が「Valuation or Allocation」にまとまって、"PERCV"になってる感じ?


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