利益差異分析=費用差異分析(標準原価計算)+収益差異分析

財務会計の初学者の方は,最初は標準原価計算の差異分析売上高の予算実績差異分析とを混濁されることが多いようですが,これはしっかり分けて理解しましょう。標準原価計算は,主に大量見込生産をおこなう製造業に用いられる原価管理の手法です。科学的・統計的に材料の標準消費数量や標準単価をあらかじめ算定しておいて,実際の原価と比較検討して次期以降の原価管理に役立てます。逆にいうと大量生産をおこなう製造業には適用しやすい手法ですが,サービス業や商品売買業には適用されない手法です。

ぜんぜん同じものだと勘違いしてたので調べてみることに。

・予算実績差異分析:売上(収益)に関する差異分析、販売部門がやる
・標準原価計算:原価(費用)に関する差異分析、製造部門がやる

ってことらしい。
「予算実績差異分析」だけじゃ言葉足らずな気がする。売上に対するとも、原価に対するとも言ってないし。。

製造業じゃないと標準原価計算は適用できないので、より一般的に適用できるのが予算実績差異分析(収益というか利益の予実分析)ってことなのかも。
そのなかで利益差異を収益差異と原価差異に分解する発想があって、製造業だったら原価差異には標準原価計算が適用できるよね、的な。

利益=収益−原価
に留まらず、
利益=KPI①✕KPI②✕KPI③…
みたいにKPIツリーを使う方法(戦略的アプローチ)もあるらしい

利益差異分析は、収益項目と費用項目に分けて考えていきます。

中小企業診断士試験では、
「利益差異分析(予算差異分析)」というらしい。これなら納得。

予算差異分析の方法としては、以下が挙げられる。

①単純比較による差異分析
実際の利益と予算の利益を単純に比較し、その差を差異として計算するもので、簡便性から最もよく用いられる方法である。しかし、大きな変化が発生したとき、その影響が差異に含まれてしまい、差異が発生した理由の分析ができなくなってしまう。

②経営適応アプローチによる差異分析
予算と実績の利益差異を、収益差異(販売価格差異、販売数量差異)と原価差異(価格差異、数量差異、操業度差異など)に分解する。さらに、それぞれの差異を、市場数量差異、市場占有率差異、製品配合差異、販売費差異、製造原価差異、固定費差異などに分解し、発生原因を明らかにして、利益改善策の検討や経営環境に適応するための戦略変更、その意思決定に役立てる。

③戦略的なフレームワークを使った差異分析
戦略が正しく実行されているかをモニタリングするために、より実態を把握しやすい切り口で差異分析を行う。例えば、新規顧客売上高を以下のようにブレークダウンしてモニタリングすると、どこで計画のずれが生じているのかが明確になる。
例)新規売上高 = 営業担当者数 × 営業担当者当たりリード数 × 受注率 × 顧客当たり売上高

簿記1級ではもっと厳密にやるみたい。

予算制度は、利益計画の実現を管理組織の責任会計制度と結合した形で達成しようとするマネジメント・コントロール・システムのことです。したがって、企業の利益計画の実現には、予算制度が必要となります。
利益計画に従って予算が編成された後は、予算通りに経営活動が行われるようにコントロールしなければなりません。ここに予算には、コントロール機能があると言えます。
予算値と実績値との差異を分析し、分析結果に基づいて企業活動を是正することで、予算はコントロール機能を発揮します。また、当該差異分析は、将来の計画設定のために必要な情報をフィードバックします。
ここで、予算と実績を比較し、その差異を分析することを予算実績差異分析といい、予算制度における業績評価の方法として用いられます。

さて、予算実績差異分析。ここは得意な人と苦手意識のある人にはっきり分かれる論点だ。
苦手意識のある人は、きっと登場する差異の種類の多さに圧倒されているのだろう。販売価格差異と販売数量差異くらいまでは何とか大丈夫だけれど、セールス・ミックス差異だの市場占拠率差異とかまでいくと、もう何が何だか分からない。とにかく計算方法を暗記だ!みたいな方向に進んでいるのかもしれない。
実は見落とされがちなのだけど、予算実績差異分析の問題を解くにあたっては「差異分析そのものよりも、どういう方式でP/Lが作られているのか、それを正しく把握しているか?」の方がはるかに大事だ。

セールスミックス差異?市場占拠率差異?
さっぱりわからない。。

時間の無駄という意見もある。

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