「もしもし、運命の人ですか。」穂村弘
海です。お久しぶりです。
今回は、読了本紹介をしたいなと思います。
つい先程 本書を読み終わり、すごく愛おしいエッセイだったなあと感じました。
穂村さんは日々の中に落ちているたくさんの「運命かもしれない」カケラを拾っては吟味して、舞い上がったり、落ち込んだり。
もしかして、あなたが運命の人?
いや、あなたですか?
ひとつひとつのカケラを大事にして、無限の可能性を感じる、言ってしまえば豊かすぎる想像力も、羨ましくて、好きでした。
ちなみに、数あるテーマの中で特に記憶に残っているのは、「1%のラブレター」「『姉』マニア」です。
今回は、少しだけ、このふたつについて紹介させてください。
もっと「清潔」にリスクを負う
ひとつめの「1%のラブレター」。
こちらのテーマは、穂村さんが女性陣に発する(またはメールの一文に選ぶ)言葉の端々に必ずわずかな言い回しの工夫、いわゆる「思わせぶりな一行」を入れ込むことで、結果的にこれらが「1%のラブレター」となっている、というもの。
例えば、(せっかくなので私の解釈として実体験をもとに)例文を用意すると、
誰かとふたりで食事に行った帰りの電車内で打つメール、「1%のラブレター」でない場合、
「今日はありがとう。楽しかった。ぜひまた誘ってね。」
となるところを、
「今日はありがとう。楽しかった。また誘ってくれる?」
と、このように文末を変えることで、「好意度」を高めに伝える、思わせぶりな言い回しができるといったようなもの…のようです。
これは、すごく分かるな、と。自分が「わかってもらえないかな」と思ってやってしまうとともに、
相手からはそういう「ヒント」的なものがないか、探してしまう。分かります。
でも私が一番忘れられないのは「1%のラブレター」の法則ではなくて。
そのあと、穂村さんが友人に言われる言葉なんです。
うーん。ほんとにそうだなあ。
純愛を必ずするべきとは思わなくても、この綺麗な助言には心の美しいひとが発する圧を感じてしまいました。
人間のオーラ。清潔なリスク。
申し訳ないですが、こっち側に憧れてしまったというか、持っていかれてしまいました。笑
エッセイを読んでいるとこんなこともありますね。
私の教訓にします。
兄弟間の役割が恋人の種類を左右する
ふたつめは、「『姉』マニア」。
こちらは、なぜだか穂村さんがつきあう人は、その人の姉妹構成としての「姉」率が高く、その確率が今までお付き合いした人の9割を超えるというもの。
穂村さん、なんとなくそうかなと思っていたけど、「リードして動きたい」ような「姉」タイプと合う傾向にあるらしい。
この話にはかなり納得がいきます。私と性格が真逆な姉と私の話をしますと、
私の姉は世話焼きで甘え下手、基本的に頼る<頼られる。これまでの彼氏たちを見ていても、甘えん坊でいたずら好きな「年下」ばかりが並びます(残念ですが「弟」ではなく「年下」)。
一方の「妹」である私は、何かをしてあげるよりはしてもらうことを好み、しょうがないなあと世話を焼いてくれるような方をいいなと思うタイプ。そして見事に、「兄」と相性がいいのです。
穂村さんのこの話は穂村さんだけでなく、
全人類に通ずるものがあるんじゃないかなあなんて思います。
興味深いので、ぜひいつか統計なんて取ってみたいものです。
そう、私はまさしく、「兄」マニア。
愛の短歌
さて、このエッセイ集ですが、ところどころに愛をうたった短歌が散りばめられています。
そこで、私がいちばん心に残った短歌をひとつ、載せておきます。
女性の強い想いが込められた、美しい短歌。
大切なものを守るためなら勇ましい姿に変わる、女性の気迫が感じられますよね。
お疲れ様でした
穂村さん×恋愛エッセイということで、かなりテンションも上がり無理やり隙間時間を作りだしては貪るように読みまして、良かったところなどをまとめさせてもらいました。
情けないところ、くよくよしたところを暗くせず、可愛い、なんてプラスに変えてしまえるのはやはり穂村さんの魅力ですよね~。
というわけで、久しぶりにnoteを書いて、投稿させていただきました。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
無理せず、思ったことを文章にしていく機会を無くさずにいられたらなと思います。
ではまた。
今日の歌
バスロマンス/チャットモンチー
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