おやすみと夢
夢をみる。大体いつも昔住んでた家とか、風邪ひいてるときはついさっきまでのことやその日の仕事のこと。悲しい気持ちでねむったときはいつも朝日が差し込んだみたいに明るくて、好きだった全てに抱きしめられたときの気持ちで起きる。
草が茂った庭を走る、夜になるとライトが上から照らしてドアが開いてる日と、開いてない日がある。階段を登らないで、羊に見つからないようにそっと開けると、皆寝ていた。静かで、もうひとつドアを開けると、オレンジ色の光とひんやりとしたいいにおい。そこにあるのは冷たい食べ物と、あっためてはいけないのにあっためたお酒。あたしはそこが大好きだったのに、ついに入れなくなって、いつも窓から向こうを見ている、電気ついてる、ついてない、ついてる、ついてない、もうなんにも入ってないから、どっちだって興味ない。
床が白くて、夕陽を見に行こうと思ったら音が怪獣みたい、波も白くて、高くて、近づいたら忘れちゃうくらい視界がいっぱい。耳が赤くなって、怖くて、出せる限りの指の力を入れて、逃げて、逃げて、眠かった目はきょろきょろしながら、やっと逃げ切って、バタンと閉じたら、もう全部冴えてて、やっと笑った。
寝転がって空をみていて、広い庭の一部で育てていた葉っぱが増えてあったかい。目が閉じそうで、風が吹いて大きな半円の秘密基地を眺めながら、想像する、秘密基地の横にいらないパイプで階段をつくって、みえないとこまでつくって、そのうちに登っていたら空を飛べるようになって、一番上までいってしまう。シャボン玉が飛んでいて、それに合わせて登っていくのだ、隣のおうちの、男の子が生まれたからってあり得ないくらいおおきな鯉のぼりの柱を立てたとこを眺める、あたしの鯉なのって間違えそうになる。5月に生まれたのに、あたしの家には鯉がいない。
ふとそんな夢をみて起きると、まだ4時半、寒くて、また毛布にくるまって眠ろうとする。
人の夢ってよく分からないよね。
今日のうた
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