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親の終活

最近、親が終活を始めた。
もう80歳になるので、当たり前なのかもしれないけど、親から相続の話を聞くのは心苦しいものがある。
いつまでも長生きして欲しいので、死後のことなどからは目を背けたくなるのだ。
なので私は「相続税やらめんどくさいから、財産分与などはもらうつもりは無い。」と言って話を終わらせようとする。

すると、親は「わかった。財産のことは良いから株の知識と技術を引き継いで欲しい。」という旨のことを言われた。

親は40年近く株をやっていて、今でも自分の年収よりも稼いでいて、今後絶対投資に関して学ぶことはプラスになるはずだからということで、今まで貯めた株式に関する経験を私に教えたいそうだ。

ということで私は最近株の勉強を始めた。
株の勉強をしていて楽しいことも多く、やりがいもありそうだと感じているが、
その反面、世の中の汚さも見えてきてしまい、自分の心の葛藤もある。

楽しいこととしては、今何が流行っているか、何が売れていて、どの会社が儲かりそうなのか、世の中の動きに神経を張り巡らせて、今後成長しそうな会社を探すという宝探し的な楽しみがある。

その一方で、政治的な癒着や関与によって株価が著しく伸びる会社があり、それが自衛隊の戦闘機や戦艦を作っている会社である。
国が防衛費に何兆円もの上積みをしたことで、その会社への受注が増えるわけなので、株価が上がるのは当然である。
なのでその株を買えば儲かるのは間違いないのであるが、自分としては、防衛費なんてもっと減らすべきだと思っているし、戦闘機や戦艦を作っている会社の株に投資するということは、戦争賛成しているような心持ちになってしまうのである。
投資で稼ぎたい気持ちと、その投資したことで戦争を助長してしまうのでは無いかという葛藤に苛まれることがある。

投資とは、「自分がその会社を成長させるために金銭的な面で支えて、もし成長した暁には、見返りもある。」という概念っていうか、投資とはそうあるべきだと私は勝手に思い込んでいる節があるので、葛藤が生まれてしまうのだと思う。

その他にも明らかにおかしい値動きをしている株の筆頭株主が政治家であったり、嫌気がさすこともあるが、
「株」というツールのおかげで親と会話することがかなり増えた。
これを機に親孝行を少しずつしていければ良いなぁと思う。
株も一歩ずつ勉強していこう。


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