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陰陽五行〜腎〜
大寒に向けて寒さが厳しい毎日です。
インフルやマイコプラズマが流行しえいるようですね、ウイルスに負けない身体づくりをしたいものです。
そこで今月は漢方の※五行説"水ー腎"についてお話しします。
大まかに言うと腎には『生命活動のもととなる精気を蓄え、生長、発育、生殖をコントロールする』はたらきがあります。
『腎』は人間の生命力のもととなる精(生命エネルギーの結晶のような存在)を貯蔵します。
精には親から受け継いだ"先天の精"と、空気や食べ物から得る"後天の精"がありますが、人が生きていく上で必要不可欠なものです。
中医学ではこの腎精の変化が「誕生〜発育~成長~老化~死」という人の一生に深く関わっていると考えられてきました。
腎精の最も盛んな時期は20代後半から30代前半です。加齢により腎の力は衰えていき、※老化(年齢)とともに症状が出てきます。
(※老化とは一般的に、成熟期以降に起こる生理機能の衰退を意味し、遺伝的な要因や外界からのストレスに対し、適応力が低下することで起こる変化と考えられます)
そして不足すれば「腎虚(じんきょ)」という状態になり、疲労感、抜け毛、しわ、たるみ、更年期症状、不妊、関節トラブル、耳の不調などの原因となります。
最近は男女問わず、若くても腎虚の方が多くみられます。
腎精が十分にあれば、生命エネルギーいっぱいの、いきいきとした生活をおくることができます。
そのためには先ず「後天の精」を養う胃の調子を良くしておくことが大切です。そして歩くことや、スクワットなど、足腰を鍛える運動をできる範囲で続けましょう。
腎の力は毎日の食事からも運動からも強化することができます。
ここ数年で"アンチエイジング(若返り)"という言葉を当たり前に耳にするようになりました。時の流れるスピードは全ての人に共通のものですね。
同じ日に生まれた人は同じスピードで暦年齢を重ねていきますが、成長のスピードに個人差があるのと同様に、老化のスピードにも個人差があります。
現代人は本当に長寿になっていますが、長生き=健康か、というと疑問が残ります。
今まで私がお会いしてきた『快適に歳を重ねられている、元気なお年寄り』には共通点があります。
胃が健康(=よく食べる)/歩く速度が速い又は歩幅が大きい/声がよく通る=お腹から声を出す/好奇心が旺盛/よく笑う/目的意識が明確
お世話になっている住職さんのお言葉に『歳をとってからは"キョウヨウ"が大事なんです。今更"教養"をつけなさいなんてことは言いません(笑)。"今日用事がある"ってことなんですよ。』
歳を重ねると、体力や気力が無くなり、ぼーっと過ごして1日が終わってしまうことも多くなるんだそうです。とても印象的なお話しです。
病院にお世話にならない為に、病気になってしまってから混乱する前に、日々心身健康で過ごす為に、己の生命力を信じて何が出来るか考えて頑張りましょう。
必ず良い方向に向きます。