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銀のスプーン。
「なんでも鑑定団」観てた
おじいちゃまが
スッと立ち上がり
「ウチにもあるけどな」
言いながら
出してきた
たくさんの銀のスプーン
木箱に保管されていて
10段ぐらいある
1段づつおろし
ガラス張りの中身を
覗くと
美しく輝く銀のスプーン
網目になって
まるでレースみたいな
スプーンや
持ち手の短い
葉の形のスプーンや
いろいろな種類に
分けられてる
「おじいちゃまも
鑑定団に出る?」
「わしゃそういうのはイヤだ」
番組を観るのは
すきなのに
テレビには
出たくないらしい
隣から
おばあちゃまが
「宝の持ち腐れだから
鑑定団に出して
みなさんに
譲ったらいいじゃない?」
などと言いながら
お裁縫をしてる
ボクはみかんを剝きながら
銀のスプーンの鑑定結果に
たまげながら
おじいちゃまに
鑑定団をすすめる
すると叔母さまが
やってきて
「またー!片づけて
コレクションとか
見せなくていいから
さっさと片づけて!
洗濯物取り込んでくれたの?」
大急ぎに
買物した荷物を
台所に運び
仕分けが始まる
「パコちゃん!
台布巾で
食台拭いて頂戴ましね」
叔母さまの
命令時間が始まる
これがお風呂が終わるまで
あれこれ片しながら
指示が出る
叔母さまの前では
銀のスプーンも
ただのスプーンでしかない
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今日はイチゴが届いた
叔父さまのお友達が
たくさん高級なイチゴを
用意して下さった
すると小皿に3粒
ボクの前に並んだ
「食べていいの?」
「そうよ召し上がれ」
おばあちゃまの
優しい声がイチゴの
甘さを引き立てる
「はやく良くなりますように」
おばあちゃまの優しい手が
ボクのお背を撫でおろす
ありがとうおばあちゃま
じゃまたあした
いつもありがとうございます
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