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ぴょん吉の去勢手術日記

ちょっと前に飼い猫のぴょん吉の去勢手術を受けました。その記録(長い)。

今回ぴょん吉がお世話になるのは、近所の庶民的な動物病院。とても質素で、まるで離島の診療所のような極めてシンプルな建物と内装だ。先生とスタッフさんの二人体制で、スタッフさんがお休みの日は手術不可。いろんな動物病院があるもんだなあ、とついつい診察室の奥にある小さな手術室など眺めてしまう。

前回ワクチン接種で受診した際にぴょん吉が少し暴れたため、先生より「この猫ちゃんは気性が荒い」とお墨付きをいただいていた。先生、この子はすごく怖がりだから暴れちゃうんですよ、ホントは...。

指定された時間にぴょん吉をキャリーバッグに入れて病院に着くと、小型犬を抱えた先客の方が待合所に座っていた。小さな待合所なので一組でもう満席だし、犬がいるとぴょん吉がビビるので外で待つ。

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急患だったのか、15分くらい待ってもスタッフさんが受付に姿を現さないので中を覗くと、小柄な女性スタッフさんが腕から結構な量の血を流していて、自分で痛そうに血をぬぐっていた。ユニフォームは毛だらけだ。大丈夫ですかと声をかけようかと思ったけど、業務上の怪我で客に心配されるのは失礼かも?とも思い、用件だけ伝えた。

「あ、去勢手術の猫ちゃんですね、おあずかりします」と、私の怪我なんて何てことないですよ、って風で応対してくれたスタッフさん。今回の手術は初めての全身麻酔なので、飼い主としてはぴょん吉の体調も心配だけど、スタッフさんを引っかいたり噛みついたりしそうなのも心配だ。

ぴょん吉をキャリーバッグごと渡すときに
「ぴょん吉、先生やスタッフさんは優しい人たちなんだからいい子にしておとなしくしてるんだよ」
と話しかけると、パッと目をそらされた。

「術後、お返しできる状態になったら連絡します」とのことだったので、近くのロイヤルホストでモーニングを食べながら電話を待った。

病院に迎えに行くと、先生と少し話せた。
「ぴょん吉、暴れてましたか?」と聞くと
「暴れてました。でもキャリーバッグに入れたままでガスの麻酔をかけるので大丈夫です。バッグに入ったままバッグごと暴れてましたけど 笑」
「…すみません、ホントに」
「手術自体は10分くらいで終わっちゃいました。猫ちゃんのタマタマに1cmくらいメスを入れて、そこからハサミで連結部分を切って中身を取り出すだけです。縫わないので抜糸も必要ありません」

ぴょん吉はキャリーバッグの中でムッとしていた。
「ぴょん吉、お疲れ様。大変だったね」と声をかけると、まばたきを数回した。
さっき怪我してたスタッフさんが
「飼い主さんが迎えに来たってわかってるんだね〜」と優しく話してくれた。
午前中のハードな診療が終わったせいか、先生もスタッフさんもホッとした表情で、和やかな空気が流れていた。

家に帰ると、なれない病院と手術で緊張したせいかぴょん吉の呼吸が荒くなり、過呼吸みたいにハァハァ言い出した。
ごはんは食べるし水も飲めるので様子を見て、先生にも電話で聞いてみて、あんまりないケースだけどまあ多分大丈夫でしょう、とのことだった。しばらくしたら落ち着いてきたので、問題はなかった。よかった。
ぴょん吉の手をふと見ると爪がキレイに切ってあった。麻酔が効いている間に爪切りをサービスでやってくれてたようだ。私がやると深爪が怖くてかなり長めになってしまっていたが、血管スレスレのところで切ってある。プロの技だ。

文字通りみなさまのおかげさまで、ぴょん吉は今日もバリバリ元気です。

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大石慶子
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