パシフィック わか

鶏とヤギと犬がファームの仲間。カナダの大自然と共生する、循環させるをモットーに。不便と…

パシフィック わか

鶏とヤギと犬がファームの仲間。カナダの大自然と共生する、循環させるをモットーに。不便といびつ、自己責任が当たり前の生活。

マガジン

  • 自分の健康について(今のところ主に乳がん)

    カナダでは無料で受けられる医療システムがあります。2024年3月ホルモン陽性乳がん診断、4月右胸全摘、腫瘍径1.5cm、リンパ節転移なし、悪性度グレード3。7月から3ヶ月のTC 療法予定。

記事一覧

TC療法全クール終了。2024夏を惜しむ散策。

冒頭は『治療ルームの卒業を告げる』患者のベルを、鳴らしている自分(カラン、カラン♫、写真ぶれてますね)。最後はスタッフの皆さんが総出で、私を見送ってくれました。…

巨大なバームクーヘンのような干し草の巻物。黒っぽいのは日焼けと雨のせいですが、内部は圧縮されて熟成が進み、巻かれていない物より栄養価が高い。今年は天候に恵まれて草の生育が良かったので、うちの家畜たちが冬になったら喜ぶと思う。夏のカナダは気温24℃、湿度30%の乾季が続いています。

3クール目に出現したじん麻疹のこと。私が通うカナダの治療ルーム、ほか。

冒頭の写真は、今月が誕生月の私に、夫からのプレゼントの日記帳。スラスラ書けるジェルペンが付いていました。 表紙の「Keep On Going. Never Give Up」のメッセージ通り…

2クール目からはCVポートで抗がん剤治療した話。脱毛のこと。買ってよかったもの、など。

冒頭の画像は、カナダでこの時期お馴染みの、干し草ベールが転がるうちのフィールド。乾季の間に家畜の冬の食料を確保しています。 全摘術後、再び手術台へ。そして2クー…

術後の化学療法に専念できる幸せ。ここまで来れたことに感謝。

「You are done. healed nicely.(やったね。良くなった)」 「Thank you so much!!」 カナダのホームナースに通院すること1ヶ月と10日。 私の乳がん全摘術後からいうと、…

乳がん術後の化学療法の決断とファームの生活と。

放射線療法は、局所再発のリスクを下げられる可能性でしたが、私には適応がなくなり、再発予防のオプションとして、化学療法を6ヶ月するか3ヶ月かの選択になっています。 …

乳がん術後、再発予防の化学療法を受けることにしました。

「あなたのキズはハート型に塞がってきたね」 「うん、私もそう思ってた」 オンコタイプDXのスコアは28。26未満だったら“化学療法の上乗せ効果なし”と判断されるところ…

家族がひとつになったと実感。国際結婚15年目に描く夢(長文エッセイ)

「パパとママって、よく離婚しなかったよね」 夫婦ケンカのたびの離婚騒動で、 子どもたちを振り回していた。 最近はする必要もなくなったけれど、 以前の夫は、怒るとぜ…

戻ってきた私の日常。術後5週目。

私の日常とは、家事、畑仕事        動物の世話        家族の雑事を代わる、など。 忙しくなって、先延ばしでしたが、 このほど、日本の母へ電話しました…

もうすぐ術後3週間。今後に向けての決意。

術前にがんの転移を調べる造影CTをしました。 幸いにして転移はなし。 でも、喜べない結果でした。 よくぎっくり腰になります。トシですね。 極めつけがこちら↓ 家族に…

私と乳がん――手術前後の記録。家族とカナダの病院で出会った方々について。

私の家族とは、夫と2人の娘たちのことですが。 ちょっと遠方に住む夫の両親は、私の手術翌日、毛布や果物、たくさんの手作りケーキやおかずになるパイを宅急便で送ってく…

Let's do Easter egg hunt ! 復活祭のイースターに思うこと

今年2024年、3月31日。 昨年2023年、4月9日。 2022年に至っては、4月17日。 イースターほど動く休日は、珍しいと思います。 実は春分の日を過ぎたあとの満月から数えて、…

日本は20日が春分の日、カナダは19日。いつもは時差で1日遅れですが、季節の分け目は同じ時を共有できるんですね。

雪どけのあと最初に咲くのはヘーゼルナッツ。落ち葉ばかりの山中に2,3mmのピンクの花がひっそり、可憐に。活動を始めた蜜蜂が受粉し、盛夏にリスの食料になります。

不安になっても始まらないし。乳がん告知後の心境。

2024年3月11日。私には忘れられない日になりました。 カナダはホームドクター制です。 がん告知は、毎年お世話になっている女医さんからの電話でした。 本当にいい先生で…

赤くないボルシチは、カナダの【ドゥホボール派】の人々の伝統

◆ビーツが入ると赤くなる。でも入っていないボルシチもある。 ちょうど小腹が空いたときに、街で人気のローカルカフェに寄ったのですが。 コーヒーにサンドイッチをオー…

カタフーラ犬の今昔物語。木登りする珍しい犬?

◆この犬のブリーダーに語り継がれてきた歴史 17世紀――。 フランス人開拓者がアメリカ大陸、ルイジアナの湿原に入植し、見た目が奇妙な犬に出会います。 オオカミのよ…

TC療法全クール終了。2024夏を惜しむ散策。

TC療法全クール終了。2024夏を惜しむ散策。

冒頭は『治療ルームの卒業を告げる』患者のベルを、鳴らしている自分(カラン、カラン♫、写真ぶれてますね)。最後はスタッフの皆さんが総出で、私を見送ってくれました。

とはいえ、未だに抗がん剤の副作用が抜けきっておらず、用心しながら体力回復を兼ねて、家の周りを散策しています。全クール終えたという、心からの開放感を味わうのは、もう少し先です。

なにせ違和感の強いCVポートが、左胸部にインプラントされた

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巨大なバームクーヘンのような干し草の巻物。黒っぽいのは日焼けと雨のせいですが、内部は圧縮されて熟成が進み、巻かれていない物より栄養価が高い。今年は天候に恵まれて草の生育が良かったので、うちの家畜たちが冬になったら喜ぶと思う。夏のカナダは気温24℃、湿度30%の乾季が続いています。

3クール目に出現したじん麻疹のこと。私が通うカナダの治療ルーム、ほか。

3クール目に出現したじん麻疹のこと。私が通うカナダの治療ルーム、ほか。

冒頭の写真は、今月が誕生月の私に、夫からのプレゼントの日記帳。スラスラ書けるジェルペンが付いていました。

表紙の「Keep On Going. Never Give Up」のメッセージ通り、治療を完走するのを目標に励ましてくれる家族と、これを読んでくださる皆さまにも改めて感謝です。

でも日記帳に謝辞を書き連ねるのは何か違う……。
何をネタにしようか悩んでいたら、交換日記を提案をしてくれた次女と

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2クール目からはCVポートで抗がん剤治療した話。脱毛のこと。買ってよかったもの、など。

2クール目からはCVポートで抗がん剤治療した話。脱毛のこと。買ってよかったもの、など。

冒頭の画像は、カナダでこの時期お馴染みの、干し草ベールが転がるうちのフィールド。乾季の間に家畜の冬の食料を確保しています。

全摘術後、再び手術台へ。そして2クール目。

「CV ポートは安全に化学療法ができるからオススメだよ」

中心静脈(CV:太さがある)にカテーテルを留置する簡単な手術の説明を受け、同意書にサインしました。

笑顔が爽やかな男性外科医が勧めたからサインしたのでなく、これは個人

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術後の化学療法に専念できる幸せ。ここまで来れたことに感謝。

術後の化学療法に専念できる幸せ。ここまで来れたことに感謝。

「You are done. healed nicely.(やったね。良くなった)」
「Thank you so much!!」

カナダのホームナースに通院すること1ヶ月と10日。
私の乳がん全摘術後からいうと、もうすぐ3ヶ月になるところでした。

ついにキズが塞がりました。

切開創に長いこと鎮座していたカサブタの下は穴だった――。それが完全に薄ピンク色の新生ヒフで覆われました。

シャワーの

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乳がん術後の化学療法の決断とファームの生活と。

乳がん術後の化学療法の決断とファームの生活と。

放射線療法は、局所再発のリスクを下げられる可能性でしたが、私には適応がなくなり、再発予防のオプションとして、化学療法を6ヶ月するか3ヶ月かの選択になっています。

ホルモン療法をするのが前提です。
化学療法は、そこから5%のリスクを下げる。
ここまでが前回の記事の内容です。

「放射線ができないので、化学療法を6ヶ月受けて、再発リスクを少しでも下げたいです」

ドクターと2回目のミーティングのさい

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乳がん術後、再発予防の化学療法を受けることにしました。

乳がん術後、再発予防の化学療法を受けることにしました。

「あなたのキズはハート型に塞がってきたね」

「うん、私もそう思ってた」

オンコタイプDXのスコアは28。26未満だったら“化学療法の上乗せ効果なし”と判断されるところ……、

病理診でグレード3。腫瘍の悪性度が高かったことから、仕方のない結果でした。かえってスコア25あたりで悶々とするよりも“やること”一択で良かったと思います。

しかしです。すぐに始めたいのに、できない理由が上記の会話。術後

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家族がひとつになったと実感。国際結婚15年目に描く夢(長文エッセイ)

家族がひとつになったと実感。国際結婚15年目に描く夢(長文エッセイ)

「パパとママって、よく離婚しなかったよね」

夫婦ケンカのたびの離婚騒動で、
子どもたちを振り回していた。

最近はする必要もなくなったけれど、
以前の夫は、怒るとぜんぜん喋らない。

「家族でしょう? ちゃんと話そうよ」
「いや、家族じゃない。子どもたちが大きくなったら、離婚しよう」
「もう、またそれ〜?」

ケンカの理由は些細なことだ。

言語の壁があるので、勘違いだったり、

相互に傾聴がな

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戻ってきた私の日常。術後5週目。

戻ってきた私の日常。術後5週目。

私の日常とは、家事、畑仕事
       動物の世話
       家族の雑事を代わる、など。

忙しくなって、先延ばしでしたが、
このほど、日本の母へ電話しました。

「1ヶ月前に乳がんの手術をしたの」

「ええ? 子宮がん?」

「ち・が・う〜。乳ぅがん!」

「ああ、そうだったの。頑張ったんだね。よくやった」

通話中、『わかは頑張った頑張った』の繰り返し。
いつの間にか母は、しっかり耳の遠

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もうすぐ術後3週間。今後に向けての決意。

もうすぐ術後3週間。今後に向けての決意。

術前にがんの転移を調べる造影CTをしました。
幸いにして転移はなし。
でも、喜べない結果でした。

よくぎっくり腰になります。トシですね。
極めつけがこちら↓

家族にさえ喫煙者はいないし、住んでいる場所は空気がキレイな田舎です。唯一考えられるのは、ニワトリを飼っていることかもしれない。

機能しなくなった肺の一部はもとに戻らないです。今後は悪化しないように、鶏舎内では防塵マスクを着用することにし

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私と乳がん――手術前後の記録。家族とカナダの病院で出会った方々について。

私と乳がん――手術前後の記録。家族とカナダの病院で出会った方々について。

私の家族とは、夫と2人の娘たちのことですが。

ちょっと遠方に住む夫の両親は、私の手術翌日、毛布や果物、たくさんの手作りケーキやおかずになるパイを宅急便で送ってくれました。

ちなみに日本には高齢の母がおりますが、手術のことをまだ知らせていません。それでなくてもカナダにいるだけで心配をかけているのに、信心深い母は仏壇の前にいる時間をさらに長くする。私が完全に回復するまでは、高齢者向けのジム通いで、

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Let's do Easter egg hunt ! 復活祭のイースターに思うこと

Let's do Easter egg hunt ! 復活祭のイースターに思うこと

今年2024年、3月31日。
昨年2023年、4月9日。
2022年に至っては、4月17日。
イースターほど動く休日は、珍しいと思います。

実は春分の日を過ぎたあとの満月から数えて、最初にくる日曜日だから、なんですって。

イースター直前直後の金曜日から月曜日までが休日扱い。雪どけの時期と重なるカナダでは、キリストの復活祭と春を祝うための重要な行事になります。

さて、この記事ではエッグハントに

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日本は20日が春分の日、カナダは19日。いつもは時差で1日遅れですが、季節の分け目は同じ時を共有できるんですね。

雪どけのあと最初に咲くのはヘーゼルナッツ。落ち葉ばかりの山中に2,3mmのピンクの花がひっそり、可憐に。活動を始めた蜜蜂が受粉し、盛夏にリスの食料になります。

不安になっても始まらないし。乳がん告知後の心境。

不安になっても始まらないし。乳がん告知後の心境。

2024年3月11日。私には忘れられない日になりました。

カナダはホームドクター制です。
がん告知は、毎年お世話になっている女医さんからの電話でした。

本当にいい先生で、いつも結果が出れば、良くも悪くもすぐに電話をくれます。ほかのドクターによくあるのは、結果が悪くて再診が必要な場合だけ連絡、患者が知りたければ、別途の電話予約で教えてもらいます。

私は1ヶ月前に胸のしこりに気がつきました。すぐ

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赤くないボルシチは、カナダの【ドゥホボール派】の人々の伝統

赤くないボルシチは、カナダの【ドゥホボール派】の人々の伝統

◆ビーツが入ると赤くなる。でも入っていないボルシチもある。

ちょうど小腹が空いたときに、街で人気のローカルカフェに寄ったのですが。

コーヒーにサンドイッチをオーダーする気でいたら、メニューに『Doukhobor Borscht』がありました。

カナダはまだまだ寒いです。メニューを見たとたん、温かいスープが欲しくなりました。ポテトにトマト、人参。バターやクリームのコクが嬉しい。

こちらにはベ

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カタフーラ犬の今昔物語。木登りする珍しい犬?

カタフーラ犬の今昔物語。木登りする珍しい犬?

◆この犬のブリーダーに語り継がれてきた歴史

17世紀――。
フランス人開拓者がアメリカ大陸、ルイジアナの湿原に入植し、見た目が奇妙な犬に出会います。

オオカミのよう。でも人懐っこい。
明らかに短毛で、足が長い犬の血が入っている。

それが“ウルフ・ドッグ”。
その100年ほど前、入植を断念、退却時にスペイン人が置いていった猟犬とアカオオカミとの子孫だった。

このときにフランスから持ち込まれた

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