化石燃料は解決策主義 (気候変動対策抑制カード6/12)
気候変動対策推進の足を引っ張っているさまざまな「主義」を、カードでご紹介しています(カードに関する詳細は最下部にてご覧ください)。
化石燃料はすでに解決策の一部となっています。化石燃料はより効率的になっており、低炭素社会への架け橋なのです。
FOSSIL FUEL SOLUTIONISM | 化石燃料は解決策主義
「ジェボンズのパラドックス」をご存知だろうか。
資源利用の効率性が高まっても全体としてのエネルギー消費量は減らずむしろ増えてしまうという矛盾を表すもので、「化石燃料は解決策」主義者たちは、まさにその見本について語っている。
いかに早く行動を起こすかこそが焦点となっている今、エネルギー使用量の削減を組み合わせない限り、パリ協定の気候変動目標を達成することができないことは明らかだ。エネルギー効率化では無理なのだ。
化石燃料産業は、主に技術的手段をその理由とし、気候変動解決策を進めるのに自らが有利な立場にあるとしばしば主張する。
化石燃料は解決策主義者の主張は技術楽観主義者たちのそれに似ているが、具体的な進展分野として「よりクリーンな燃料」や「未来への橋渡し燃料(ガスなど)」、そして炭素回収と貯留の開発への投資などを挙げることが多い。
化石燃料は解決策主義者の中心的な戦略は、化石燃料を「良い生活」に結びつけること。つまり、化石燃料からの転換は、繁栄と社会進歩を逆行させることだと暗示しているのだ。
気候目標を支持すると主張しながら、実際の政策には反対する。化石燃料の必要性を宣言し、「化石燃料は問題ではない、解決策だ」と根拠のない主張をしている。
彼らの広告メッセージは多岐にわたるが、つまるところこのどちらかだ。
「規制はするな。なぜなら我われはすでに全力で取り組んでいるのだから。」あるいは「規制はするな、なぜなら石油こそが人類を守っているのだから。」
先日、ロンドンの「イズリントン・クライメート・センター」を立ち上げた女性とお話しする機会があり、プレゼントに12枚のカードをいただきました。
カードは彼女も作成に関わったもので、英国発の環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)*」が著作権フリーの制作物として提供しているそうです。
*エクスティンクション・リベリオン | 市民的不服従、非暴力の直接行動を用いて気候変動に対する政治的な決断を促す市民活動団体。
(ところで、この機会にXRについて改めていろいろ調べ、UKで暮らす人たちに意見を聞いてみたのですが、おれが日本で思っていたような「過激な組織」という印象を持っている人は少なそうでした。
やり過ぎてしまうメンバーが一部存在しているものの、規模からすれば当然で、むしろ抗議活動の行い方としては「真っ当」であり、市民や警察に対しても協力的と捉えている人が多いようでした。)
日本とは文化的な違いもありわかりやすくはないものの、それでも通ずるところや感じるものが多いものではないかと思ったので、テキストの日本語訳を考えてみました。
イマイチなところも多々あるだろうなと思うので、「この方が良くない?」とかアイデアがあれば教えてください。そしてもし「イラストを含めて日本語版を作ってみたい」と思われるデザイナーやプランナーの方がいらっしゃったらお声掛けください。
Happy Collaboration!
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