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経営者は、誰に向けて語るとき一番緊張するのか
人前で講師やスピーカーとしてお話をさせていただくことがちょくちょくあります。
最初に依頼を受け、務めさせて頂いたときは、めちゃくちゃ緊張しました。
今でも緊張しますが、比較にならないくらい緊張したのを覚えています。
ただ、だんだんと緊張にも慣れて、緊張がある種心地よくなりました。心にハリができると言ったら良いのでしょうか、そんな感じです。
ただ、これは外部向けの場合です。
外部向けだと、心理的に割り切れるのです。
自分の考えをわかってもらえなくても、反発を受けても、オーディエンスはしょせん他人ですから。
他人に理解されなくても構いません。私の実利、私たち持続未来グループの実利には関係ありませんから。
だから、緊張するにはしますが、緊張しすぎることはありません。
■ 実は一番緊張するのは…
そんな感じなので、外部向けにスピーカーするときにはそんなに緊張しません。
実は最も緊張するのは、内部向け、持続未来グループの社員の皆さんに向けて話すときなのです。
人によっては、内部向けのほうが気楽に話せるという方もいらっしゃいますが、私は違います。
それはなぜか?
社員に考えがわかってもらえなかったら、終わりだからです。物事が動かないんです。
私は代表者ですが、社員のみなさんが働いてくれて、動いてくれてはじめて会社が成り立つのです。
社員のみなさんが動いてくれなければ物事は進まないのです。
さらに、社員のみなさんが考えに納得して動いてくれなければ、納得感がないままに動くのでは弱いのです。
だから怖いのです。
考えをわかってもらえるだろうか。
賛同されないということはないだろうか。
他人なら良いんです、わかってもらえなくても、賛同されなくても。
他人が賛同してくれたところで、行動してくれるわけではないですし、賛同されなくても特に影響はありませんし。
■ では、どう考えて伝えるのか
知と情ですね。
まずは知。
論理的に伝える。
その考えに至った理由、そうしなければいけない理由、その考えが妥当である理由…データを示し、とにかくロジカルに伝えます。
これは当然のことです。これを外してはわかってはもらえません。
しかし、これだけではわかってもらえないのです。
情が必要なんです。パッションと言い換えてもいいです。
熱を込めて語らないと伝わりません。
論理を武器に組み立てたら、熱を込めて語るのです、「どうだわかったか!」「わかってくれ!」と。
この二刀流で伝える必要があります。
聞く人に論理でわかってもらえなくても、最低でも、「このおっさんが必死こいて一生懸命話しているんだから、まあ手を貸してやろうか」と思ってもらえればいいんです。
■ ごまかせない
それから、もう一つ内部向けに語るとき、より緊張してしまう理由がこれです。
ごまかせない、嘘をつけないんです。
外部の人たちは、私たちのことを知りません。
だから、都合の悪いところはごまかせるのです。口当たりの良い一般論などで。
でも、内部の人たちに対してはそうは行きません。
だって知っているんですから、事実を。あるいは語る私がどういう人間なのかを。
だから、内部向けが最も緊張するわけです。
でも一番重要です。
このとき、経営者が本当に情を持って熱を込めて語るためには、経営者自身が、自分の伝える考えを本気で信じることです。
「まあ、表向きこういうことにしておこう」では伝わりません。(あるいは、本気ではないことが伝わります。)
本気で思い込まないと何も伝わらない。これは、私が経営者になって学んだことです。